『PRODUCE 48』は“JK-POP”の生みの親になるかもしれない

日本のアイドルに足りなかったこと
松谷 創一郎 プロフィール

もっとも安定した高評価を続けてきた宮脇咲良

そして『PRODUCE 48』の最終回は、8月31日に生放送された。

3時間半にも及んだこの番組では、練習経過が紹介された後に「We Together(これからよろしくお願い)」と「好きになっちゃうだろう?」が観客の詰め寄せているステージで披露された。

また、番組の途中まで投票も受け付けており、だれが生き残るかは最後までわからなかった。

結果、IZ*ONEとしてデビューする12人は、(最終順位順で)チャン・ウォニョン、宮脇咲良、チョ・ユリ、チェ・イェナ、アン・ユジン、矢吹奈子、クォン・ウンビ、カン・ヘウォン、本田仁美、キム・チェウォン、キム・ミンジュ、イ・チェヨンとなった。

韓国勢が9人に対し、日本勢は3人にとどまった。前週の投票ではデビュー圏内だった宮崎美穂や竹内美宥、白間美瑠、下尾みうの4人は大幅に順位を落とし、逆に圏外だった韓国勢が一気に順位を上げた。

この大きな変動がなぜ生じたかはわからないが、可能性として考えられるのは投票期間だ。これまでと異なり、ほぼ1週間しかなかったからだ。

この番組の投票は韓国国内からひとりにつき1日2票(公式サイトと公式アプリ)までとなっており、韓国にも固定ファンがいる48グループは期間が長ければ票数が増える傾向があった。だが、投票期間が短くなったことによって票が蓄積されなかった可能性は指摘できるだろう。

終わってみれば、もっとも安定した高評価を続けてきたのは宮脇咲良だった。4回の投票では常に上位に食い込み、偏差値平均では僅差ながらトップ、順位平均でも全体2位だった。

番組が当初から宮脇を中心に構成していた影響もあるだろうが、何度も涙を流しながらも練習に食らいついていく様子からは、今回の仕事にかける彼女の貪欲な姿勢が十分に伝わってきた。

また、最終投票でトップとなりIZ*ONEのセンターポジションとしてデビューすることになったチャン・ウォニョンは、参加した練習生のなかで最年少の2004年生まれだ。

発表当日の8月31日が誕生日で、番組中は13歳だった(外見的にまったくそうは見えないが)。連載2回目の段階で指摘したように、多くのひとが逸材だと感じる実力と存在感を放っている。

ただ、チャン・ウォニョンや宮脇咲良のデビューメンバー入りは、それまでの成績を見るかぎりある程度は予想できた。それよりも視聴者を驚かせたのは、常にデビュー圏内を維持し、宮脇とともに番組でもっとも注目されていたイ・カウンの脱落だ。

彼女は、韓国の練習生のなかでは数少ないデビュー経験者であり、現在も一応はガールズグループ・AFTERSCHOOLのメンバーである。だが2012年にカウンが加入して以降、グループの活動は2013年を最後に停止したままだ。

エピソード1では、5年もの間ほとんど放置されていることに涙する彼女の映像が流された。

「『PRODUCE 101』のシーズン1に出演した何人かと、私はいっしょに練習をしていました。(AFTERSCHOOLで)デビューしなかったら、そこにいたのは私だったかもしれない。私はもうデビューしている。なのに、なんで家でこの番組を観ているんだろうって……」

 

ここまでのサバイバルにおいても、24歳の彼女は各グループで強いリーダーシップを発揮し、他のメンバーからもとても慕われていた。順位も圧倒的な1位からスタートし、常に上位をキープしていた。

しかし、最後の最後で14位になってしまった。放送終了の直前、涙を流した宮脇咲良が辛そうな表情でカウンに声をかけていたのが印象的だった。

過酷な結果ではあるが、前シーズンでも似た例はあり、こうしたシビアさは視聴者投票だからこその『PRODUCE』シリーズの特徴だと言える。

加えて、デビュー評価の課題曲「We Together」は、イ・カウンが所属するプレディス・エンターテインメントのハン・ソンスによるプロデュースだ。それでも彼女が脱落したことから、逆にこの投票の公正性が感じられることとなった。