『PRODUCE 48』は“JK-POP”の生みの親になるかもしれない

日本のアイドルに足りなかったこと
松谷 創一郎 プロフィール

また、会場得票では3位だったもののYouTubeや音源配信でいちばんの人気だったのは、ムーンバートン(EDMの一ジャンル)の「Rumor」のグループだ。

ガールクラッシュを感じさせるこの曲は、ラップパートの比重が大きい。よって、その役割をめぐって二転三転する。

だが最終的にはレコーディングの段階で、前回順位を大幅に上げたハン・チョウォンがラップの才能を発揮しパートを変更することとなった。

2002年生まれのハン・チョウォンは、この番組でもっとも成長が感じられた存在だ。

最初のランク分けでD判定をされた際は、トレーナーに「基礎練習は常にやらなければダメだ」と叱られていたが、その後は歌唱とラップで高い能力を見せ、順位も急上昇した。適切なトレーニングを受ければ、この世代は短期間で急激に能力が上がることがとてもよく分かる例だ。

こうしてコンセプト評価は終わり、続くエピソード11で順位発表式が行われた。

30人はここで20人に絞られ、日本勢からは村瀬紗英と後藤萌咲が放出された。残ったのは、韓国勢12人、日本勢8人という布陣だ。6対4という比率は、番組開始時とほぼ同じだ。

 

日本語曲「好きになっちゃうだろう?」の歌詞

最後に行われたのは「デビュー評価バトル」だ。これは韓国語曲「We Together(これからよろしくお願い)」と日本語曲「好きになっちゃうだろう?」のふたつを10人ずつでパフォーマンスするというもの。

これまでと異なるのは、会場での投票はなく、デビューメンバーを決める生放送の最終回(ep.12)のみで披露することだ。よって、今回だけグループバトルの性質は弱い。

各ポジションは、順位が上位の者の希望が優先される。よって、高橋朱里は上位の宮脇咲良によって押し出され、べつのポジションに移った。このとき興味深かったのは、日韓それぞれのメンバーが母国語の曲をかならずしも積極的に選択しなかったことだ。

メンバー編成は、2曲ともに韓国勢6人・日本勢4人と同じ比率で分かれ、しかもそれぞれのメインヴォーカルは韓国語曲が竹内美宥、日本語曲はクォン・ウンビとなった。

そこで気になったのは、秋元康による日本語曲「好きになっちゃうだろう?」の歌詞だ。

サビには「いつだって美しいよ」、さらに後半には「ツツツ ツツツ ツツツヨクナレ」という表現が使われている。そこでは「つ」が頻出するが、これは韓国人がとても苦手にする発音だ。

実際、練習中にもチェ・イェナが「いちゅだって うちゅくしいよ」と発音し、高橋朱里がそれを訂正する場面が見受けれた。

秋元がどれほど意図的にこのような歌詞にしたのかはわからない。あえて韓国人にたどたどしい日本語を歌わせたのかもしれないし、あるいは高いハードルを設定したのかもしれない。逆に意図的でなかったとすれば、秋元がふだん韓国人と接していないか、韓国文化に明るくないことを意味するのだろう。