実録10年! 持ち家派は賃貸派より「3000万円」おトクだった

不動産業界が大声では言わない真実
沖 有人 プロフィール

さらに元本は年間2.6%(3.2%-0.6%)ずつ減少していくことになるので、資産の目減り分2%よりも元本返済が早く進んでいく。

しかも、「2.6%(元本減少幅)-2%(資産の目減り)」で生じる0.6%は、実は貯蓄をしているに等しい。持ち家を10年後に資産の目減り分を割り引いた価格で販売し、その売り上げから住宅ローンの元本を返済しても、6%が現金として手元に残る計算になる。

 

長く生きるほど、その「差」はどんどん開いていく

「期間」で比較しても、住宅ローンを組んだほうが有利だ。

住宅ローンは35年で返済が終了するのに対して、賃貸は一生支払わなければならない。現在の生涯寿命は女性で約90歳。30歳から持ち家か賃貸を選んで住み続けた場合は60年間の住宅のコストを払わなければならない。

その場合、持ち家派が「35年の住宅ローン+60年の管理費・修繕積立金」を支払い、賃貸派は「60年間の家賃」を払い続けることになる。

持ち家派は35年でローン返済が終了した後、支払いが管理費・修繕積立金の約2万円程度に抑えられるのに対して、家賃は60年間家賃を支払い続けることになる。その際、家賃派は持ち家派に比べて、1.5倍のコストを支払うことになる。

〔photo〕iStock

これに加えて、自宅と投資では税制の違いも大きい。家賃には税金が課せられるのに対して、自宅は無税なだけでなく、10年で400万円の還付金まで現金として振り込まれる。

このように、持ち家の資産が値上がらずに通常に値下がりしていったとしても、持ち家派は賃貸派より有利なのである。その差は1.5倍なので、平均余命60年とすると、20年分に相当する。「20万円の家賃×20年」なら4800万円、「10万円の家賃×20年」なら2400万円に相当する人生のキャッシュフローの差となるのだ。

実は持ち家を購入する行為というのは、「自宅投資」とも読み替えることができる。

私はこの「自宅投資」こそが一番儲けやすい投資手法だと主張していて、その方法を書いた本はベストセラーになった。私自身がそれを実践し、すでに含み益は1億円を超えている。住むために必要な自宅を、儲かりやすい物件を選んで、実際に住むだけ。これを10年単位で住み替えるといういたってシンプルな方法である。