実録10年! 持ち家派は賃貸派より「3000万円」おトクだった

不動産業界が大声では言わない真実
沖 有人 プロフィール

持ち家派は、じつは住宅ローンで「得」をする

持ち家ならば600万円の利益が出るのに対して、賃貸なら2400万円が出ていくので、その差は3000万円である。

しかも、持ち家派の場合は住宅ローンを借りていると、その1%が現金還付される「住宅ローン減税」を利用できる。この減税効果は40万円/年なので、10年間で400万円のキャッシュが手元に残ることになる。

つまり、さきほどの3000万円と合わせて、総額3400万円。これが持ち家と賃貸のこの10年間の収支格差といえる。

〔photo〕iStock

とはいえ、納得できないという人も多いだろう。

なにしろ土地はともかく、物件の資産価値は通常は毎年目減りしていく。また、持ち家派の住宅ローンには金利が発生する。だから、そう単純な話ではないだろう、と……。

確かにその通り。

だが、じつはそうした面を考慮しても俄然、「持ち家派」が有利であるということも論証できる。以下、それを示してみたい。

 

家賃とローンの支払い、「損得計算」の正しいやり方

まず、「資産価値の目減り」と「家賃の持ち出し」を比較したとき、どちらが損失が大きいか。

さきほど、家賃は物件価格の約4%だと書いた。一方で、マンションの資産価値の落ち方は一般的には年平均2%ほどとされている(相場変動が無い場合)。つまり、「4%(家賃)」-「2%(資産の目減り)」=「2%」。つまり賃貸で家賃を払うよりも、持ち家のほうが2%分持ち出しを抑えられる。

次に考えるべきは住宅ローンを借りた場合である。この場合、持ち家派は資産の目減り2%分とローン金利分が持ち出しになるので、この合計が家賃の4%分を下回れば、持ち家派が有利ということになる。

実際に見てみると、物件価格と同額の住宅ローンを借りた場合、その元本と金利の返済額は現在、年間3.2%で、このうち金利分は0.6%だ。資産の目減り分の2%と足し合わせても、2.6%に過ぎず、4%の家賃を支払うよりも、1.4%も持ち出しが少ないことになる。