巨人のFAを見て思う…大金を手にすると人は力を抜くのかもしれない

大竹・野上・山口・陽岱鋼・片岡……
週刊現代 プロフィール

引退後まで保証するから

外から絶え間なく戦力を補充され、多くの生え抜き選手たちが腐っていくなかで、数少ないレギュラーとして生き残ってきた阿部や坂本には、どこかに慢心があるのかもしれない。

「全力で走るなんて、昔の巨人では当たり前でしたよ。緩んでいたらすぐ下が伸びてくるから、みんなピリピリしていた。今は情けない限りです。

本来なら、外から来た選手が闘争心を植え付けてくれれば良いんだけど、気付くとみんな『巨人の空気』に同化してしまう。待遇がいいから、万事において『別にいいか』という気持ちになるのでしょう」(前出・高橋氏)

 

そして、分不相応なカネやチームの空気感と並んで、外様の選手たちをスポイルするのが、引退後のポストを保証する「終身雇用システム」だ。

巨人OBの広岡達朗氏が言う。

「今の巨人のコーチ陣を見てください。かつて鳴り物入りで巨人に移籍してきた選手ばかりです。入団してくる段階で、金銭と合わせてそういう『手形』を与えられているのでしょう」

広岡氏の言うように現在の巨人のコーチ陣は、一軍の豊田清投手コーチを筆頭に、二軍には片岡内野守備走塁コーチや金城龍彦外野守備走塁コーチ、三軍監督には江藤と、FA移籍組の姿が目立つ。

彼らはいずれも古巣で見せたほどの活躍はできぬままに引退したが、巨人軍の一員としてすんなりと指導者の地位についている。

「彼らも、少しでも上手になりたいと思って一生懸命自分の頭で考え、工夫をしていた選手たちです。ところが、目のくらむような大金で連れてこられて、そのうえ引退後の人生まで保証されている。そんな球団で気を抜くなというほうが無理な話です」(広岡氏)

一生面倒を見てもらえるという「安心」が、結果として選手たちの緊張感を失わせる。

「OBになっても面倒を見てもらえるというのは選手にとってはすごくありがたい。でも、そうやって皆が現状に満足しているから、チームのおかしな部分に対して苦言を呈する人もいなくなり、事なかれ主義が進んだ結果が、今の巨人の体たらくでしょう。

昔の巨人なら4位に終わった時点で首脳陣が『総辞職』してもおかしくなかった」(前出・江本氏)