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安倍三選で早くも始まった…自民党の内部抗争と「次の総理」の名前

任期途中の「高転び」はあるか?

9月20日午後、安倍首相が念願の自民党総裁三選を果たし、安倍政権の「最後の3年」が始まった。

しかし、首相が「花道」を飾るためのハードルは非常に高い。今月末の沖縄県知事選に始まり、来年の統一地方選、参議院選挙、そして憲法改正に消費税増税……。永田町の住人たちは、すでに虎視眈々と動き始めている。

 

「キングメーカー」の打算

「別に俺は入閣しなくてもいいんだ。うちには甘利(明)も河野(太郎)も松本(純)もいる」

8月下旬、東京・六本木のバーで、麻生太郎は葉巻をふかしながら側近にこう語っている。名の挙がったのは麻生派の代表的な議員である。次の人事で、河野の外務大臣残留、そして甘利の入閣は確定的だと囁かれる。

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9月に入っても、麻生は総裁選応援に全国を飛び回っていたものの、内心は派閥拡大工作に懸命だ。悲願である「大宏池会」構想を、ついに本格化させるつもりだという。ポイントは、岸田だ。

「党内第4派閥の岸田派(宏池会)が、岸田の出馬断念で分裂の危機にある。タイミングをみて岸田派を麻生派に引き入れ、トップ派閥に躍り出る」とみるのは、麻生派議員。

麻生派がやがて推す総裁候補は決まっている。麻生は河野洋平から派閥を引き継いだ。息子であるプリンス・河野太郎だ。

「外交で成果も上げ、派閥からの候補としては十分。自我が強くコントロールしにくいところがあったが、最近は鳴りを潜めており、麻生さんも気に入っている」(同)

では、岸田派をどう引き入れるのか。そこには麻生の「キングメーカー」としての打算がある。

「安倍さんが任期途中で総裁をおりたときの保険ですよ。岸田総理で短期的につなぎ、次の総裁選で河野太郎を出すつもりです」(別の麻生派議員)

麻生は、今のままでは「まな板の鯉」に過ぎない岸田に、悪魔の囁きをする可能性がある。派閥を差し出せば、そのかわりに、一度限りの総理の座を与えるというわけだ。

「岸田さんを引き入れれば、地元・福岡では敵対的な関係にある古賀誠氏の影響力もそぎ落とせる。一石二鳥です」(同)