1週間乾燥させたクマムシが数分で復活! スマホ動画で配信してみた

大学教授が新技術の「伝道師」になった
伊藤 政博 プロフィール

論より証拠で、実際にスマホ顕微鏡でこの模様を撮影した動画を、以下にご覧に入れよう。

  1週間かけて乾燥させたクマムシが、水を与えるとものの数分で鮮やかに復活。お急ぎの方は6~7分あたりからご覧ください。著者提供

乾眠状態のクマムシのからだには、数%ほどの水分しか含まれていない。

このクマムシに水をかけると水分を吸収し、足や体が伸び5分ほどで足を動かしはじめるものが現れ、10分後には形態がもとのクマムシの形に戻り、移動を始めるものがあらわれる。

このようにクマムシは、乾眠状態から活動状態へ驚くべき速さで移行できる能力を兼ね備えているのだ。

 

3Dプリンタで「歓迎」「感謝」

観察会を終えると、地球最強の生物が身近に生息していて、こんなに簡単に観察できることに感動している学生が多かった。

そして実験テーブルの一角には、3Dプリンタで作成した2センチメートルほどの大きさのクマムシを並べて文字で「WELCOME!」と並べたものを置いて、その脇で実際に3Dプリンタが作品を作っているところを見てもらっている。

3Dプリンタ

3Dプリンタで作成したクマムシを並べて文字を描くという発想は、実は見学に来ていた女子高生から教えてもらったアイデアだった。

数年前、まだ研究室に3Dプリンタが入ったばかりのころに、3人組の女子高生に研究室や3Dプリンタの紹介をしたことがあった。

一通り見学を終えて休憩を取った後、彼女たちのもとに戻ってみると、3Dプリンタで作成したクマムシを並べて「THANK YOU! 」という作品を作っていたのだ。

3Dプリンタ

見学会への感謝のしるしで作ってくれたのだろうが、私や私の研究室の学生を含めて「あっ、こんな使い方もできるんだ!」と目からうろこだったことを覚えている。女子高生たちの発想はすごいと感心した。

初心者でも簡単に成果を出せるツール

通常の観察会の最後には、感想やスケッチを描いてもらい、参加の記念として3Dプリンタで作成したさまざまな色のクマムシを持って帰ってもらっている。

「学校では実験実習を行う機会がほとんどないのでとても楽しかった」
「はじめのうちはクマムシがなかなか見つけられず苦労したが、見つけたときはとてもうれしかった」
「スマホ顕微鏡を初めて使ったが、写真やビデオもとれて凄いと思った」

など、ポジティブで生き生きした感想が寄せられる。