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丸亀製麺・全国800店の味を1人で支える「麺匠」をご存じですか

それでも、店の個性が出る
小野 正誉 プロフィール

みんな違って、みんないい

それでも作る人によって味の個性は出ます。

藤本さんが言うには、「うどんはつくり手の作業の仕方で味が変わる。丁寧につくればおいしくなるし、荒っぽい人がつくればまずくなる。つくり手の人柄が味に出る」とのこと。

うどんは生き物なので、丸亀製麺は店によって味が多少違うのです。

しかし、それこそ(前回の記事でお伝えしたように)セントラルキッチンで作った画一的な味にはない魅力です。

セントラルキッチンでつくると、味が標準化されますし、誰がつくっても味がぶれないのでリスクは低くなります。けれども、人が自分のためにつくってくれたという感動はありませんし、できたてのおいしさもありません。

丸亀製麺としては、店ごとに微妙な味の違いが出たとしても、そのほうが讃岐のうどん屋のような個性を出せるのだと考えています。

丸亀製麺は、まず国内で1000店舗を目指していますが、そのすべてが同じ店ではなく、それぞれに特徴を持つ店が1000店集まるという考え方をしています。

 

つまり、1000分の1ではなく、1×1000ということ。

チェーン店は個性がないとよくいわれますが、個性のあるチェーン店をつくることも可能なのです。

ただし、店ごとに味は違っても常に120点のうどんを目指しています。ダーツでいえばど真ん中を狙っているということです。

実際には、100点のうどんもあれば、90点のうどんもあります。本当はそれでよしとはしたくないのですが、商品として提供できる合格点の枠の料理を提供できていると思います。

藤本さんは、「その枠を小さくするのが麺匠の仕事。狙うのはいつもど真ん中」「ど真ん中を射抜いたとき感動が生まれる」といいます。

丸亀製麺にとっての最低ラインをクリアしているかどうかを判断し、後はつくる人の個性にゆだねている部分もあるのでしょう。味を完全にそろえることより、絶対的なおいしさを追求するほうが大事なのです。