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安心をうたう「毎月分配型投信」こんなクズ商品には手を出すな

老後の年金代わりにはなりません
「あなたのお金が狙われている!」。そう警告するのは、テレビでおなじみの経済ジャーナリストで、著書『投資なんか、おやめなさい』などでも知られる荻原博子氏だ。荻原氏が注意をうながす商品のひとつに、分配金が毎月支払われる「毎月分配型投信」がある。株式投資などと比べて安全性が高く、年金代わりにと購入する人も多い「毎月分配型投信」。一体、何が問題なのか? 荻原氏に解説してもらった。

目減りしていてもわからない

「投資信託」を買うなら、運用次第で増えることもあれば減ることもあるということは、多くの人が認識しています。投資信託協会のアンケートでも、投資信託が「元本保証ではない」「価格変動や為替リスクがある」ということは認知しているという答えが多い。

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ところが、この商品の場合、定期的に銀行口座にお金が振り込まれるので、それが当たり前のようになり、「これは、運用がうまくいっているのだ」と勝手に思ってしまう人が少なくない。

例えば1000万円預けて、毎月4万円の分配金を約束したとします。もし、運用がうまくいかずに4万円もの利益が出せなくても、約束した4万円は必ず銀行口座に振り込まれます。

もちろん、月に4万円以上の儲けがあれば、4万円を銀行口座に振り込んでも、元本は確保されています。この商品では、運用益ゼロだったとしても、4万円を口座に振り込んでくれるのです。

実はこの4万円は、購入した金融機関が補填してくれるわけではありません。誰でもない自分が預けた1000万円から、4万円が差し引かれて払われるのです。つまり、運用益ゼロなら元本は996万円になっているということ(ここでは、手数料、税金は度外視しています)。

 

わざわざ証券会社まで行って「毎月分配型投信」を買う人なら、これくらいの仕組みはわかっているでしょう。

ところがいまは、銀行や郵便局も「年金代わりに」と勧めてくる。銀行や郵便局で勧められると、よくわからなくても、高利回り貯金の感覚になってしまう人も少なくないようです。

つまり、預金と勘違いするので、いちいち投信の状況を確かめない人も多い。窓口で、息子か孫くらいの職員に、「貯金していても利息がつかないけれど、おじいちゃん、これなら安心ですよ」などと言われて、ハンを押してしまう人もいるようです。

そういう人が、購入後に送られてくる取引残高報告書などをしっかり見ているかといえば、疑問です。つまり、毎月一定額が銀行口座に振り込まれるために、危機感や投資をしているという実感が持ちにくくなるということです。