2018.09.27
# 丸亀製麺 # 飲食店

「丸亀製麺」が、あえて「セントラルキッチン」を作らない理由

「非効率」が感動をつくる
小野 正誉 プロフィール

客席を減らしても製麺機を置く

うどんの横には天ぷらとおむすびのコーナー。天ぷら担当のパートナーさんは、売れ行きを見ながら汗をかきつつ天ぷらを揚げ、おむすび担当のパートナーさんも炊きたてのご飯でせっせと握っていきます。

その隣は会計コーナー。ネギや生姜などの薬味は、好きなだけ取ってください。

それ以外のスタッフも、食べ終わった器を食洗機にかけたり、レジを打ったり、休む間もなく立ち回っています。

出汁は1日に6回、お客様が多い店はそれ以上に出汁をとっています。出汁はコーヒーや紅茶と同じで、すぐに風味や香りが飛んでしまうので、大量につくりおきできません。

これが、丸亀製麺の店内の様子です。にぎやかで、湯気と熱気が立ち込めているような讃岐のうどん製麺所を再現したら、こうなりました。

入り口に積み重ねた小麦粉の袋も、手づくり感を演出しているアイテムの一つ。製麺機を奥にひっこめず、店の入り口に置いているのも、手づくりのライブ感を出すための演出です。

 

丸亀製麺は他のうどんチェーン店に比べるとキッチンのスペースが広く、スタッフの人数も多いのです。チェーン店なら、客席数を増やしてスタッフは少なめに抑えるのが、効率よく利益を上げる鉄則です。丸亀製麺は、この鉄則とは真逆の方法を選びました。

効率よく利益を上げるなら、うどんも出汁も、天ぷらやおむすびや薬味もセントラルキッチンでまとめてつくり、店ではそれらを簡単に調理する程度にするのが一番です。これなら少人数のスタッフで運営できますし、人件費を抑えられます。しかも、製麺機は高額なので、初期費用もかかってしまいます。

生のうどんを茹でるところからしていたら、水道・光熱費もかさみますし、細かいことを言うなら、店内には粉が舞うので掃除も大変です。

丸亀製麺がしていることは効率的ではありません。経営コンサルタントが店内を見たら、即ダメ出しされるでしょう。

したがって、丸亀製麺を出店したばかりの頃は、この方式が理解されないばかりか、「そんな効率の悪い店が成功するわけがない」と散々批判されたと言います。

それでも、粟田社長は「客席を減らしてでも、製麺機は置く」と貫いてきました。

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