一般投資家はこの先、日本の不動産には手を出してはいけない

需要減少以外にもこれだけリスクが
大原 浩 プロフィール

不動産には保有リスクがある

これまではあまり顕在化しなかったが、不動産には「保有リスク」がある。例えば株式は売却しない限り、配当は別にして税金はかからない。

しかし不動産は、空き家になろうが荒れ地になろうが、オーナーは保有している限り固定資産税を払わなければならない。空家率が上昇している現在、これは大きなリスクである。

また、株式の保有者は先物・オプション取引を行わず現物で投資している限り、投資した金額だけの有限責任であり、損失は投資した金額の範囲内に限定される。

しかし、不動産の場合空き家になった物件などで火災が起こった場合、所有者としての管理責任が問われ賠償をしなければならないこともある。

さらに私が懸念しているのは、マンションの共同所有という仕組みがどこまで続くのかということである。株式の場合は、会社の所有権を分割した個々の株式の売買はほぼ完全に独立して行うことができるし、共有している形の会社の運営は、優劣はあるもののプロフェッショナルの経営者が行ってくれる。

しかし、マンションの場合は専有部分だけでは無く共有部分があり、建て替えに至ってはほぼ全員(5分の4以上)の区分所有者の同意が必要という厄介な代物である。不動産という大きな金額が絡む話し合いで意見を一致させることがどれほど大変なのかは容易に想像できるはずである。しかも、管理組合は企業の経営者と違って素人の集団である。

1戸建てや賃貸アパートは空室問題が大きいが、マンションの場合は管理が行き届かなくてスラム化することが最も恐ろしい。

 

一方、株式投資の未来は?

これまで述べてきた「制度上」の比較において、株式投資の不動産投資に対する優位性は明らかである。

また、私は不動産は別にして日本経済への見通しは強気である。そして、日本経済の繁栄は全体としては時差がありながらも、株式市場全体に反映される。

ただし、株式投資を推奨しているわけではないことに注意いただきたい。これまでにも述べた様に、株式投資で成功するためには本格的な勉強が必要である。片手間でやっていては大けがする。

1980年代のバブル市場でさえも株式投資で損をした人は結構いたのである。市場全体が上昇するにしても、個々の株式(企業)の成長(値動き)は全く別物である。

本当に株式投資を真剣に考えている方には、投資の神様ウォーレン・バフェットが20歳の時に出会ってベンジャミン・グレアムの弟子となるきっかけを作った『賢明なる投資家』(日本ではパン・ローリング発行)を読むことをお勧めする。バフェットはこの本と『証券分析』を今でもことあるごとに読み返す。

ただし、どちらも簡単な内容では無いので、書店の店頭でパラパラとめくって購入するかどうかを検討したほうが良いと思う。

そこまで勉強するのはちょっと……という方には、バフェットも私も株価指数連動のインデックス・ファンドをお勧めする。日本株全体の価格が、長期的に上昇するという前提だが……。