一般投資家はこの先、日本の不動産には手を出してはいけない

需要減少以外にもこれだけリスクが

恐るべき空家率の実態

投資対象としての、日本の不動産の将来はどうなのか? 結論から言えば「将来は暗い」である。

「生産緑地2022年問題」が最近騒がれている。これは都市部の農地の減少を食い止めるため設定された生産緑地に関する制限が解除され、自治体に買い取り請求をしたり自由に売却できるようになるということだ。

税金についてはちょっと複雑なのだが、要するにこれまで生産緑地として受けていた優遇が減るので、保有するメリットが薄れ売却を後押しするといわれている。

実際どのような影響が出るのかわからないが、少子化で需要が減る中で供給が増えることだけは間違いない。

私は、少子高齢化は、日本経済全体には若年層の失業率の緩和や人手不足によるロボット化・コンピュータ化を通じてむしろプラスに働くと考えている。しかし、不動産需要に関しては別である。

例えば、最近では1人っ子が典型的な家族形態であるが、自宅を保有する1人っ子同士が結婚すればまるまる1軒家があまる。これは50%の余剰である。

実際、野村総研の予想では、現状が続くとの前提で、平成45(2033)年の空き家率が30.2%、総空き家数で2150万戸という驚くべき数字である。

不動産の暗い未来に関する情報はあまりにも多い。

機会を改めて詳しく解説するつもりだが、首都圏で私が家賃の下落や空室の問題を特に強く感じるのは神奈川県横浜市である。相続対策等が活発で新築アパートが供給過剰なのかもしれないし、都心の家賃や物件の供給が落ち着いているので都心回帰しているのかもしれない。

これは全体的に言えることで、都心への一極集中はますます加速する。首都圏でも勝ち組、負け組ははっきりするであろう。

 

地方の衰退は止められない

最近地方再生が叫ばれているが、ふるさと納税のようなばらまき・援助金の獲得に血眼になっているような地方の再生などあり得ない。その無駄なエネルギーを、独自のビジネスや産業振興に向けなければならないのである。

過去にアフリカ諸国に対し欧米が莫大な援助を行ったが、その援助金でアフリカがなにも成長をしなかったことを見ても明らかである。子供に「勉強しなさい」と言って先に小遣いを渡すようなもので、ほとんど効果が無い。

したがって、一部の自助努力をしている地方以外の衰退は必然であり、人口もさらに減少するから、インフレ分を除いた実質不動産価格が上昇することは考えにくい。

そもそも、地方が衰退するのはその体質に大きな原因がある。地方在住の経営者の友人たちは、よく「東京っていいですよね。誰も見ていないから……」と、しみじみと酒を飲みながらつぶやく。

地方では、例えば、飲食店に行くと昨日「○○という店に行ってたでしょう?」と必ず言われる。店の駐車場に停めた自動車のナンバープレートで特定されるのだ。このような5人組的相互監視社会での息詰まる生活を若者が好むはずが無い。都会に行った若者が返ってこないのも当然である。