性暴力を受けた男性が被害を認識できない「根深い理由」

表面化する男たちの「#MeToo」
山口 修喜 プロフィール

もう一つの男性被害者の特徴は、恥が強いということ。女性だけが被害にあうという認識があると、被害にあった男性である自分は弱くて恥ずかしい存在だと思います。抵抗できなかった自分は情けないやつだと思ったり。

もう一つの恥は、性被害特有の性的な興奮が関係します。性的な虐待は、辛さ、気持ち悪さと共に、性的な興奮や快感が伴います。そこがややこしいんです。そこが混乱するんです。

殴られたらわかりやすい。ただ痛いし、ただムカつくし。性被害は、その性的な快感を感じた時に恥になります。(イヤだけれど)感じてしまったという。

男の子の場合はもろに、自分の勃起した性器を見ると恥を感じてしまいます。求めているから勃起しているのだと、加害者に念を押されることも多いです。

カウンセリングをめぐる「誤解」

まず少年や男性も被害にあうという認識が社会に広まることが大事です。被害体験を開示した時に、ちゃんと被害にあったことに寄り添ってくれる周りの人の存在がとても大事です。

ほとんどの方は、被害体験からくる影響を認識していないことをお伝えしました。なのでカウンセリングの門を叩く人は氷山の一角なのです。

カウンセリングに来る男性被害者の方は、わかりやすく対人恐怖症だったり、過去の被害体験がフラッシュバックしてきていて、それを麻痺させるために依存行為を繰り返していたりします。

 

性被害から回復するカウンセリングにおける1番よくある「誤解」についてお伝えします。

過去の性被害の体験を無理やり吐き出すように語ることで回復する、ということではありません。

過去を語り尽くして、カウンセラーの前で泣いて、自分自身を取り戻していくのは映画の世界だけです。そう思われるのも当然です。

従来のカウンセリングはそういうアプローチでした。何年もかけて、過去に向き合い、カウンセラーに語る。カウンセラーはただ寄り添って傾聴するだけ。日本ではまだまだこの傾向が強いです。