〔PHOTO〕iStock

性暴力を受けた男性が被害を認識できない「根深い理由」

表面化する男たちの「#MeToo」

このところ、アメリカの教会や中国の仏教界などで男性を対象とする性暴力が続々と明るみになっている。

昨年来、MeToo運動が世界中に広がっているが、男性の性暴力被害についてはまだ十分に認識されず、議論されることもほとんどない。それでも、日本でも男性の被害実態が報告されはじめている。

性被害を受けた男性のためのカウンセリングオフィス「Pomu」を運営し、トラウマセラピストとして活動する山口修喜氏にご寄稿いただいた。

少年6人に1人が性被害に

少年への性被害という問題は、私たちにとって非常に大事なことです。

あなたのパートナーが過去に被害にあっているかもしれないから。あなたのこどもが被害にあうかもしれないから。あなたの大切な友人から、被害のことを打ち明けられるかもしれないから。もしくは、あなた自身が、実は過去に被害にあっているかもしれないから。

様々な統計がありますが、世界的には6人に1人の少年が被害に遭っていると言われています。少女に関しては4人に1人。日本でも男性の性被害が年間200件ほど記録されています*。

被害のことを開示された時、身近な人の対応でその後の人生が大きく影響を受けることが多いです。あなたの大事な人を守るためにもこのテーマについて知って頂けたら幸いです。

性被害、性的虐待にあうこどもを思い浮かべると、少女をイメージするのが自然ですよね。ただ、少年も同じように性被害にあいます。同じように苦しみ、同じように訳がわからなくなり、同じように生きづらさを抱えます。

男の子とか女の子とか、男女の前に、1人の人間です。加害する人、被害を受ける人というように。

〔PHOTO〕iStock

脳の特性で、カテゴリー分けする傾向があります。少年はこうで、少女はこうというように。その方が脳がスッキリするので、そうしている。

毎日会社に勤めている男性の会社員だって過去に性被害を受けている方もいる。会社を経営している男性だって、政治家だって、アーティストの中にだって被害を受けている人がいます。

 

ただ、過去の性被害をしっかり「認識」できている人は少ないように思います。

認識するとは、過去の性被害の体験がどれだけ今の人生に影響があるのかということです。何となく言われてみれば、性被害的なことがあったな、という認識がある方は多いと思います。

でも実は、そこが今の生き方、考え方、人生の選択などに大きく影響しているとカウンセリングの経験から実感させられます。