大災害で家を失う前に、絶対知っておきたい4つの制度

「災害復興法学」で考える住宅ローン
岡本 正

被災前に知らないと損する「4つの生活再建制度」

「自然災害被災者債務整理ガイドライン」については、すでに紹介したが、他にも3つの制度、キーワードを知っておくことが不可欠だと考えている。

罹(り)災証明書

自治体が被災者の申請により家屋の被害状況の調査を行い、被害状況に応じて「全壊」(損壊割合5割以上)、「大規模半壊」(損壊割合4割以上5割未満)、「半壊」(損壊割合2割以上4割未満)、「一部半壊」(損壊割合2割未満)などを認定し証明するもの。

被災者は地元の市町村と被害認定を通じて「繋がる」機会が必ずあるということを知ってほしい。罹災証明書という制度を知ることこそが「希望の第一歩」になるといっても過言ではない。

 

実際、多くの被災者支援制度を利用する場合には、罹災証明書の提示を求められることが多い。事前にその知識を持っていることが非常に重要となる。

この罹災証明書の発行を申請するタイミングで重要となってくるのは「写真撮影」だ。明らかな全壊家屋などは写真判定によってスムーズに被害認定が進むケースもある。また、罹災証明書は発行されたが、全壊認定に至らず、大規模半壊認定になったことが不服であるという声も非常に多くある。

「損壊割合」の認定は複雑で認定にも幅があるため、争いが起きやすい。その場合、再度認定をするよう申し出ることもできるが、その際にはもう自宅を撤去してしまっていることもあり得る。そこで、現場保存のために被災直後の自宅の写真を撮影しておくことも是非勧めておきたい。

■被災者生活再建支援金

「全壊」や「大規模半壊」など住んでいる住宅に大きな被害を受けた場合に、世帯に支給される支援金。基礎支援金(最大100万円)がまず支払われる。このお金の使い途に制限はないので、被災者にとっては非常に頼りになり、使い勝手が良い支援といえるだろう。

また、その後新たに家を購入したり、建設したりする場合には、追加で「加算支援金が支払われる。新築・購入の場合は最大200万円、補修の場合は最大100万円、民間賃貸入居の場合は最大50万円となっている。

特に新築や購入の場合を考えると、義援金などとあわせて頭金にすれば、新たな住宅ローンの頭金などにもできるのではないだろうか。

被害の程度による被災者生活再建支援金の違いは、以下に詳しい。http://www.bousai.go.jp/taisaku/seikatsusaiken/shiensya.html 

■災害弔慰金・災害障害見舞金

災害により死亡した方のご遺族に対して「災害弔慰金」(ご遺族の所得に応じて500万円又は250万円)が支給される。また、災害により精神または身体に著しい障害を受けた方には「災害障害見舞金」(ご遺族の所得に応じて250万円又は125万円)が支給される。

災害で直接なくなった方だけではなく、災害の影響でなくなったと認定された方(災害関連死)にも支払われる。

そして、4つめが冒頭に紹介した「■自然災害被災者債務整理ガイドライン」である。

 

2015年9月2日以降に発生した災害救助法適用災害に利用できるので、例えば、熊本地震、平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震でも当然利用ができ、現に熊本地震や平成30年7月豪雨の相談件数(割合)は非常に多い。

ところが、災害で被災する前からこの制度を知っている人はまだまだ少ない。金融機関担当者ですら知らない人が多いのだから、周知について課題が残る。

そして利用についても、まだまだ課題がある。