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中国のメディアは、北海道大震災を自国民にこう伝えた

報道を4類型に分けてみると…

4つの傾向

9月6日午前3時8分に北海道で発生した最大震度7の大地震は、40人以上の死者を出し、一時は道内の全域が停電状態に陥るという非常に深刻な被害をもたらした。その数日前に関西地方を襲った台風21号の被害と合わせて、日本の天災は中国メディアでも大きな話題となっている。

今回の記事では、北海道地震に対する中国側の報道について考察を加えてみることにしよう。被害の規模をストレートニュース的に伝えたものを除くと、中国側の北海道地震の報道には大きく4つの傾向が見られた。

 

1.「中国人は見た」被災体験系

在日中国人や中国人観光客がみずから体験した地震の様子を詳しく述べる内容だ。例えば国営通信社・中国新聞社(中新社)のWEB版は「北海道の華僑同胞が地震の驚愕の一夜を振り返る」と題した記事を掲載している。

25年前に上海から来日して札幌市北区で診療院を開いている陶さんの屋内ではものが散乱して停電した、10年前に来日した札幌市白石区の王さんの家の被害は大したことがなく電気も午後に復旧した――、といった話だ。掲載された被災体験談の一部を意訳して引用しよう。

”商店はまだ営業していたが、列に並ぶ人たちが非常に多く、王さんは列の周囲をうろうろ歩き回ってみたが列の尻尾を探し出せずあきらめた。停電しているので店では現金のみを取り扱っており、店員は電卓で精算していた。

民衆はみな非常に我慢強く待っており、混乱はまったく見られなかった、街では救急車と消防車が次々に走り、頭上には絶えずヘリが飛んでいた。日本のメディアと政府はさまざまなチャンネルを通じて災害情報を報じており、王さんは日本の災害対策の経験は学ぶに値すると感じた”

”王さんを感動させたのは、地震後に近所の数人の老人がみな王さんたちの様子を見にやってきたことだった。彼らは、外国人だったら地震はいっそう怖いだろうと思ったらしく、「困ったときは言いなさいよ」となぐさめてくれた。この数人の老人の話は王さん一家を温かい気持ちにし、心配を減らすことになった”

これ以外にも国営通信社の新華社や、在日華人メディアの『中文導報』などが、北海道を旅行中の中国人や在日中国人に取材して、彼らの被災体験を伝えている。

良くも悪くも、中国の国営通信社である新華社や中新社の海外中国人への取材ネットワークの強固さを感じさせる話だが、今回の報道ではおおむね、札幌の街が電気を失ってもなお秩序だっていることや、コンビニエンスストアなど商店の店員たちの驚異的な努力を伝えるものが多かった。

※9月6日、被災地での外国人犯罪発生のリスクを煽るツイッターの投稿。右派系のネットユーザーが書き込み、炎上した。

北海道地震に限らず、近年は大規模な災害の発生時に、在日外国人の被災地での犯罪リスクが、ネット上などでさしたる根拠もなく煽られる例も増えている。

だが、排外主義的なデマが広がって、被災地においてリアルで差別的な対応をおこなう人が出た場合、その行為が「国際的な震災報道」として大きく報じられる可能性があることは留意しておいたほうがいいだろう。