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病歴から性癖まで…個人情報を管理して儲ける「情報銀行」の可能性

あなたは利用したいですか?

ふだん何気なく押しているSNSの「いいね」ボタンの記録やネット通販の購買履歴から、あなたの生活習慣はもちろん、病歴や性的な傾向まで分かってしまう。「そんなバカな」と思うかもしれないが、これはあながちウソではない。ネット空間上で個人が丸裸にされる時代はすでに現実のものとなっている。

こうした状況に対して、自身の情報を積極的に管理することで対価を得る「情報銀行」と呼ばれるサービスに注目が集まっている。ネットにおける個人情報管理の切り札となる可能性を秘めているが、使い方を間違うと、さらに個人情報の流出に拍車がかかる可能性もある。

 

ネットで収集できる個人情報は想像をはるかに超える

SNSの「いいね」ボタンや、ネット通販の購買履歴を調べれば、利用者のことがある程度までなら分かってしまうことは多くの人が認識しているはずだ。だが、どうでもよい記事に「いいね」を押したり、ごく普通の商品を買った履歴を調べられたところで、大した影響はないと考えている人が大半だろう。

確かに10年前ならば、それほど影響はないと断言できたかもしれないが、AI(人工知能)技術の発達はネット空間の常識を大きく変えた。一見すると何の脈絡もない一連の情報を分析することで、個人のプライバシーはほぼ丸裸になると考えた方がよい。

AIを使った分析では、大量のデータを瞬時に解析することによって、従来の分析手法では見つけ出すことができなかった相関関係を容易に見つけ出すことができる。

毎日、たくさんのお菓子をネットで買っている人や、お菓子に関する記事にたくさん「いいね」を押している人がお菓子好きであることは明らかだが、AIによる分析はこれにとどまらない。

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ビッグデータとAIを組み合わせることで、例えば「〇×という映画が好きでiPhoneを持っている人はチョコレートが好きである」といった、一見、何の関係もないデータから相関を導き出すことができてしまう。つまり、普段、何気なくモノを買ったり、記事を見るという行為からでも、個人のプライバシーが丸裸になってしまう可能性があるのだ。

閲覧したコンテンツとの関係性を分析すれば、人種や支持政党、宗教はかなりの精度で特定できるほか、喫煙や飲酒の習慣、婚姻の有無、さらには性的傾向もかなりの確率で分かってしまうという。ネット企業は個人名を伏せたデータを相互に売買しているが、複数のデータセットを比較すれば、本人を特定することもそれほど難しいことではない。

最近はこうしたネット上のデータに加えて、もっとリアルな生のデータも収集されている。GPSを使った行動履歴やAIスピーカーから得られる声の情報である。