# キャッシュレス # LINE # 銀行

LINE Payの知られざる野望「メガバンク化構想」の全貌

覇権争いを制して、その先の世界へ
田中 道昭 プロフィール

LINEが「メガバンク」になる日

LINEの戦略は、これまでも説明したように中国のテンセントの戦略をベンチマークしているとみていいだろう。

LINEと同じコミュニケーションツールのウィーチャットペイを持つテンセントは、QRコードの決済アプリに進出することで、金融プラットフォーム企業への足掛かりを得た。決済アプリに各個人の資金がたまれば、それは銀行や証券、保険サービスの資金の源泉となる。となれば、次に考えられるのは「資産運用サービス」の展開である。

LINEはLINE Payが成功すれば、一挙に金融プラットフォーム企業へと、言うなればメガバンクへと成長していく。その足掛かりをいま、築こうとしているのである。このことは金融界を大きく変える布石となるだろう。

重大なポイントは、銀行や証券会社のように、いま金融サービスを提供しているかどうかは、次の金融業界の重要なメルクマールではなくなっているということ。むしろいま現在、市場で展開されて、消費者の支持を得ているサービスにどれだけ近づいた金融サービスを提供できるかどうかが重要になっている。

 

つまり顧客接点を自ら作り出し、金融取引に誘導できるかが、今後の金融界で覇権を握るポイントとなっているのだ。それができた企業が次世代の金融プラットフォーム企業となり、あらゆるサービスをセットにして定額化するサブスクリプション・サービスをはじめ、ビッグデータ×AIを駆使した新たな金融サービスを次々に打ち出してくることになるだろう。

LINEにとってQRコード決済は通過点に過ぎないのだ。

今後は2020年の東京オリンピックをめどに、どの店舗を押さえるか、またタクシーをはじめどのサービスで自社のQRコードを使ってもらうのか、各社のシェア争いがし烈さを増していく。その覇者がどこになるのか、目が離せない。