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# LINE # キャッシュレス # 銀行

LINE Payの知られざる野望「メガバンク化構想」の全貌

覇権争いを制して、その先の世界へ

スマホ決済の「覇権戦争」がついに勃発!

いま九州の一大繁華街、中洲・天神で異変が起きている。

屋台で一杯ひっかけ、ラーメンで締める。博多出張や九州観光の醍醐味を名物の屋台で味わう人も多いだろう。定番のおでんからフレンチも味わえるこの博多の屋台で、奇妙な光景に出くわすことが多くなったのは9月に入ってからだ。支払いの際に財布を出さず、なにやらスマホを操作しただけで屋台を出ていく人が急増しているのだ。

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これを眺める客の反応は2通り。観光客の中国人は、さも当然との表情で眺めているのに対して、それが何を意味しているのかわからずに、きょとんとしているのは地元の博多っ子や日本人観光客だ。中国ではいまやキャッシュレスは当たり前。その中国で主流の決済手段である「QRコード決済」が、ついに博多の屋台にまで進出してきたのである。

とくに地元の飲食店業界でも名の通った屋台「しんきろう」をはじめ、天神周辺の15の屋台が「LINE Pay(ラインペイ)」によるQRコード決済を開始しているのである。これはキャッシュレス社会を推進する福岡市の実証実験で、LINEや楽天、ヤフーなどQRコード決済に参入した4社が参加しているが、とくにLINE(15店舗)と楽天(13店舗)が利用店舗数でしのぎを削っている。群雄割拠の著しいQRコード決済各社の陣取り合戦が、博多の屋台で繰り広げられているのである。

 

8月28日、日本のQRコード決済市場にアマゾンが参入を発表。またソフトバンクとヤフーの合弁企業「PayPay」も9月5日にサービス概要を明らかにした。

現在のQRコード市場の主要メンバーは、NTTドコモの「d払い」「楽天ペイ」「LINE Pay」「Amazon Pay」「PayPay」、そして今後、フリマアプリのユニコーンとして知られるメルカリが「メルペイ」で本格参加して6強となる見通しだ。

この覇権争いの中心にいるのは、イーコマース(EC)の黒船アマゾンと、楽天証券、楽天銀行を備えて金融プラットフォームを形成する楽天、PayPay、そしてコミュニケーションアプリで群を抜くユーザーを獲得しているLINEだろう。中でも最も有利なポジションをとっているのがLINEである。

筆者は現在、次世代金融プラットフォームの趨勢を研究しているが、このQRコード決済は今後の金融界の覇権争いの前哨戦の一つと位置づけている。それだけに群雄が割拠しているわけだが、この混戦がいかなる展開を見せるのか、以下、占ってみよう。