9月19日 大気圧の存在が証明される(1648年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

この日、フランスの哲学者パスカル(Blaise Pascal、1623-1662年)は、「トリチェリの真空」を利用して大気圧の存在を実証しました。

トリチェリの真空とは、イタリアの物理学者でガリレオの弟子だったエヴァンジェリスタ・トリチェリ(Evangelista Torricelli、1608-1647年)によってなされた実験で、この実験で真空の状態が実証・確認されましたが、大気に圧力があることの証明にもつながっていきます。

【図】トリチェリの真空
  水銀を溜めた容器の中に、片方の端が閉じたガラス管を浸し、その管を立てていくとできる空間を「トリチェリの真空」という

このときの水銀柱の高さは、平地で約76センチメートルになりますが、パスカルはこの現象を「水銀柱は、ボウルに溜められた水銀の表面よりも上にある、空気の重さによって押し上げられた」と考えました。

つまり水銀の表面よりも上にある空気が少なければ、そのぶん水銀柱の高さは低くなるはずです。

さらに、低いところより高いところでは大気圧は低いのではないかと考え、追試を行うことを決めました。しかし、当時病気を患っていたパスカルは、義兄のペリエに実験を依頼して実験を行いました。

南フランスにある標高約1500メートルのピュイ・ド・ドーム山頂で行った実験から、予想通り水銀柱が低くなることを確認し、これを『流体の平衡に関する大実験談』で発表しました。こうした実験の結果と考察を『流体平衡論』としてまとめ、〈パスカルの原理〉を導きだしたのです。

【写真】ピュイ・ド・ドーム
  実験が行われたピュイ・ド・ドーム山の山頂部。標高1464mの火山で、山頂には19世紀に設置された気象観測所がある。その建設中には、ローマ時代の遺跡が発見され保存されている photo by gettyimages