地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
この日、フランスの哲学者パスカル(Blaise Pascal、1623-1662年)は、「トリチェリの真空」を利用して大気圧の存在を実証しました。
トリチェリの真空とは、イタリアの物理学者でガリレオの弟子だったエヴァンジェリスタ・トリチェリ(Evangelista Torricelli、1608-1647年)によってなされた実験で、この実験で真空の状態が実証・確認されましたが、大気に圧力があることの証明にもつながっていきます。
このときの水銀柱の高さは、平地で約76センチメートルになりますが、パスカルはこの現象を「水銀柱は、ボウルに溜められた水銀の表面よりも上にある、空気の重さによって押し上げられた」と考えました。
つまり水銀の表面よりも上にある空気が少なければ、そのぶん水銀柱の高さは低くなるはずです。
さらに、低いところより高いところでは大気圧は低いのではないかと考え、追試を行うことを決めました。しかし、当時病気を患っていたパスカルは、義兄のペリエに実験を依頼して実験を行いました。
南フランスにある標高約1500メートルのピュイ・ド・ドーム山頂で行った実験から、予想通り水銀柱が低くなることを確認し、これを『流体の平衡に関する大実験談』で発表しました。こうした実験の結果と考察を『流体平衡論』としてまとめ、〈パスカルの原理〉を導きだしたのです。