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日本人は沖縄に無関心であってはならない。これは国の危機だからだ

沖縄の危機は日本の危機である

沖縄こそが日本の未来の牽引役

今月は自民党の総裁選と沖縄の県知事選がある。かねてから、私は日本の総理大臣にはぜひ沖縄出身者になって欲しいと強く思っている。

理由は二つある。

まずその一つは、沖縄こそが広島や長崎と並んで日本の中で最も平和の価値を骨身に染みて理解している土地だと思うからだ。

以前、「ひめゆり平和祈念資料館」や「旧海軍司令部豪」を初めて訪ねたときの衝撃は今でも忘れられない。沖縄の過酷な運命に心を寄せることは平和な日本を築く上での第一歩だと思った。

そしてもう一つは、地球規模で考えると、これからは南の地域が加速度的に大きく発展していくことになるが、日本最南端に位置する沖縄こそが、アジア太平洋地域の活力を引き込んで日本の未来を築く牽引役だと考えるからだ。

ハーバード・ビジネス・スクール元教授、経営コンサルタントのラム・チャランは著書『GLOBAL TILT(邦訳:これからの経営は「南」から学べ)』(日本経済新聞出版社)の中で、「ビジネスと経済のパワーが、北側の国々から、北緯31度線より南側の地域へシフトしている」と言っているが、日本では沖縄県だけが全域その地域に当てはまる。

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もともと沖縄は、琉球王国としての独立性を保ちつつ、明や清の時代の中国や、日本といった周辺の強国と巧みな平和外交を行いながら交易の拠点として栄えた。

しかしその後、薩摩による琉球侵攻や明治政府による琉球処分によって日本による統治の時代を迎え、日清戦争を経て日本がその領有権を確定させた。

太平洋戦争中は旧日本軍の軍事拠点としてアジアへの前線基地的な役割を果たしたことで連合軍の標的とされ、「鉄の暴風」と呼ばれ地形が変わるほどの激しい空襲や艦砲射撃を受け悲惨な地上戦の舞台となった。

 

戦後は27年間にわたって米国の統治下に置かれ、1972年に本土復帰を果たしたが、米軍基地や日米地位協定の問題は今日に至るまで沖縄住民に大きな負担を強い続けている。

日本に支配され米国にも攻め込まれて戦場となり制圧された沖縄の歴史はまさに波瀾万丈で、その苦悩や屈辱は沖縄の人たちにしかわからない。

特に太平洋戦争では多くの一般市民が犠牲になり、その後も米軍基地を抱え続けてきたがゆえに、今日に至るまで常に戦争を身近に肌身で感じてきた。だからこそ平和の価値を誰よりも皮膚感覚で理解している。