9月16日 生化学者セント・ジェルジが生まれる(1893年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

ビタミンCの発見者として知られる生化学者アルバート・セント・ジェルジ(セント=ジェルジ・アルベルト、Nagyrápolti Szent-Györgyi Albert、1893-1986年)が、この日、ハンガリーのブダペストに生まれました。

ブダペストのズリーニィ通りから聖シュテファン大聖堂を望む Photo by Depositphotos

叔父が解剖学教授をつとめていたブダペスト大で医学・生理学を学んだジェルジは、その後各地の大学を点々として、1931年に、王立フェレンツ・ヨージェフ大学(現在の国立セゲド大学)に職を得ました。

ここで研究員と共に地元特産のパプリカから大量精製した"hexuronic acid"が構造的にはL-アスコルビン酸であること、またこれが以前から知られていた抗壊血病因子であること、これをビタミンCと名付けて、1932年に発表しました。

同時に細胞呼吸の研究を続け、フマル酸などが呼吸反応(のちにTCA回路とよばれる)で重要な段階をなすことを発見した。1937年、これらの業績(生物学的燃焼、特にビタミンCとフマル酸の触媒作用に関する発見)によってノーベル生理学医学賞を受賞しました。また1937年には止血作用を持つビタミンPを発見(ただし、ビタミンPは数種類の物質の混合物であることが後に判明し、現在「ビタミン様物質」と呼ばれています)。

【写真】ジョルジ1936年ころ
  アルバート・セント・ジェルジ、1936年ごろ Photo by Getty Images

さらに、研究員のシュトラウブ・ブルノーとともに、筋肉はアクチンとミオシンの2種類のタンパク質がATPをエネルギー源として収縮することを発見するなど、生理学の分野で多数の業績をあげました。

戦後は、ハンガリーの国会議員などもつとめましたが、のちにアメリカに亡命、がんの研究や、これに関して量子力学を生化学に応用する分子下生物学(量子生物学)を提唱するなどの研究を続けました。

【写真】ジョルジとガモフ
  難解な物理理論をわかりやすく解説する啓蒙書を多く著したことで一般人にも広く知られた物理学者のジョージ・ガモフ(右)とともに Photo by Getty Images

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