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# 量的緩和 # 実物資産 # 金

世界を覆う「マネーの増殖」から資産を守るための冴えたやり方

「実物投資」があなたを救う

なぜ卵が100万円になるのか?

まさにいま、南米のベネズエラでハイパーインフレが起きています。IMF(国際通貨基金)は、同国のインフレ率が2018年末までに100万%に達すると予想しています。私たちの生活に置き換えると、かつて1パック100円だった卵の値段が、今年の末に100万円になるイメージです。100万円の卵…ちょっと恐ろしいですね。

なぜこんなことが起きるのでしょう。そもそもモノの値段とは「モノとおカネの交換レート」のことです。卵の生産量が、急激に減るとは考えられません。ですから、値上がりの原因は卵側にあるのではなく、おカネ側にあるといってよいでしょう。

つまりベネズエラでは、おカネに対する信頼感が失われた結果、従来のモノとおカネのバランスが崩れ、おカネの相対的な価値が1万分の1に減ってしまったわけです。

幸い、日本では1946年以来このようなハイパーインフレは起きていませんが、今後のことはわかりません。仮に日銀が印刷機をフル稼働させ、1万円紙幣を刷りまくればどうなるでしょうか。1万円札の価値は薄まり、モノやサービスの価格は上がるでしょう。

その影響は私たちの日々の生活だけにとどまりません、なぜなら、皆さんがお持ちの資産の価値にまで大きな影響を及ぼすからです。

仮に、皆さんがお持ちの資産がすべて紙幣(つまり円の現預金)で占められていたとすればどうでしょう。この場合、紙幣の価値の希薄化、つまりインフレの影響をモロに受けてしまうことになります。

 

1万円は10年後も1万円か?

では、このような紙幣の希薄化から、私たちが自らの資産を守る方法はあるのでしょうか。

さきほども申しましたが、モノの値段は紙幣とモノの交換レートのことですから、紙幣の供給量が増えればその価値は薄まり、逆にその反対側にあるモノの値段は上がります。つまり、現預金からモノ(=実物資産)の方に資産の一部を移しておけば、紙幣の希薄化から自らの資産を守ることができるわけです。

もう少し身近な例をあげて考えてみましょう。

たとえば皆さんのサイフの中に1万円札が一枚はいっているとしましょうか。皆さんがそのお札のことをすっかり忘れ、たまたま10年後に見つけたとしましょう。果たしてその時点でも、そのお札は1万円のままでしょうか。

もちろん1万円札は何年たっても1万円札のままですが、問題はその価値です。まさかベネズエラのように、1万円の価値が1円以下になってしまうようなことはないでしょうが、10年という時間軸で見ればどうでしょう。いまの日銀の金融政策や今後の経済動向について考えた場合、ある程度の紙幣の希薄化は、避けて通れないのではないでしょうか。

この連載コラムでは、私たち日本人が誰しも遭遇する可能性がある「おカネの希薄化」と、その対処法について考えてゆきます。