捜査員3000人「樋田淳也容疑者」を追う大阪府警の眠れない夜

「アカン、みんなあいつに見えてきた」
週刊現代 プロフィール

本部長のクビで済むのか

大阪府警もそうした樋田の性癖を把握している。樋田にとって女性を襲うのは「癖」のようなもの。逃走中だからといって我慢できるとは限らない。

最悪の事態が起きた場合、逃走を許した富田林署の山内寛署長や寺坂真樹副署長はもちろん、大阪府警の広田耕一本部長も責任を取らざるを得ないだろう。さらに、万が一死者が出れば、栗生俊一警察庁長官の首すら飛ぶ可能性もある。

容疑者が捕まっていない以上、捜査の中断、そして人員の削減はありえない。現在は3000人態勢での捜査となっているが、もし他の都道府県で樋田が事件を起こすようなことがあれば、その地域の警察と連携し、5000人以上の態勢が組まれる可能性もある。

 

元警察官僚で警視庁刑事の経験を有する弁護士の澤井康生氏が話す。

「今後も期限のわからぬまま、膨大な人数が捜査に関わり続けることになります。その捜査費用は計り知れませんが、近年まれに見る額が投入されるのは間違いありません」

捜査員のひとりが、終わりの見えない捜査状況を、力なくこう語る。

「お盆休みもなく、田舎に帰っていたヤツらはみんな強制的にとんぼがえりさせられて、毎日遅くまで働いています。捜査員の間では、『このまま、正月休みもなくなるんちゃうか』なんて悪い冗談も出ています。ほんま、どうなるのか……」

平成最後の8月は、大阪府警にとって「眠れない夏」となった。そして、秋がやってくる――。

「週刊現代」2018年9月15日号より