ランドセルは本当に軽いほうがいい?安易な「かわいそう」が奪うもの

「体幹」が強い子どもの育て方とは
露木 由美 プロフィール

3:スポーツと遊びで多様な体の使い方をする
公園さえも少ない現代では、代わりに「習い事」が充実し、あらゆるスポーツを教えてくれる場所がある。幼児期のうちに多様な体の動かし方を学び、ボディイメージを豊かにしておきたい。

注意したいのは同じような体の使い方ばかりしないこと。たとえば、水泳や体操教室などの習い事もいいが、同じような体の使い方ばかりになりがちだ。ルールがない自然の中、足元の安定しない野原や山道、崖登りなどで思いっきり体を使って遊ぶことができればしっかりとボディイメージができ、体の使い方が上手になり、スポーツも上達することも忘れないでいたい。

「大迫半端ないって」で有名なサッカーの大迫選手。彼が小さい頃、地元の鹿児島県で練習をしているときは、グランドの整備ができておらず地面がでこぼこだったという。

真っ平に整備されていないグラウンドで、ボールもイレギュラーに転がっていく中、体幹が鍛えられ、ワールドカップでもあのような活躍ができたのだろうと、地元の監督が語っていた姿が印象的だ。このように、遊びとスポーツを両方楽しみ、体の多様な使い方を学ぶことが大切だ。

 

安易な「大変」「かわいそう」が奪うもの

最後にまた、我が家のエピソードを紹介したい。

去年、我が家の子ども達が通っていた公立の中学校で、40年続いていたマラソン大会がなくなった。理由は練習時や大会時に具合が悪くなる子が多くなり、学校が対応できなくなったから。

しかし、子ども達が大変、かわいそう、だから楽にしてあげないとという声が、結局、子ども達の心や体が「強くなる経験」を奪っているのだ。

もしかしたら、今回の「ランドセル問題」も氷山の一角なのかもしれない。私達は子ども達の体を心配するあまり(それはもちろん、親として当然の思いだ)、かえって過保護になりすぎて、健全な成長を妨げていないだろうか。

一指導者として、全ての子ども達が体の正しい使い方を学び、健全に発育発達していくシステムを構築できるよう、「家庭・学校・地域・国」が連携することを願っている。