真の平等とはなにか? 植松聖と杉田水脈「生産性」発言から考える

ポリコレで批判することは簡単だけれど
綿野 恵太 プロフィール

「生産性」発言炎上と東京五輪の関係

女性や同性愛者の権利を認めることへの反発は世界的な現象である。イスラム原理主義ばかり注目されがちだが、キリスト教原理主義も同じく同性愛に否定的だ。

杉田の場合も女性の社会進出や同性婚を認めることが、日本の伝統的な家族像を解体するように思え、反発したのだろう。

発言に批判が集まった当初、杉田は「大臣クラスの先輩方」や「LGBTの理解促進を担当している先輩議員」らから励まされたことを明かし、「自民党の懐の深さを感じます」とTwitterで発言した。

そのために批判は自民党にも向けられたが、自民党は杉田の発言を「配慮を欠いた表現」と認め、「今後十分に注意するように指導した」と公式HPに発表し、自民党のLGBT政策のパンフレットを掲載した。そこには次のような文言がある。

一昨年には、オリンピック憲章に「性的指向」が取り上げられたこともあり、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、正しい理解の増進を図っていくことが、いま求められています(「政策パンフレット:性的指向・性同一性(性自認)の多様性って?~自民党の考え方~」)

つまり、LGBT差別への取り組みはオリンピックを開催するために必要なのだ。
ヘイトスピーチといった外国人差別についても同様だ。2016年にはヘイトスピーチ対策法が成立した。実はその前年に200以上の全国自治体がヘイトスピーチ対策をもとめる意見書が決議している。その多くに東京オリンピックに関する文言がある。

2020年には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるが、オリンピック憲章の精神にも反するヘイトスピーチを放置することは国際社会における信頼を失うことにもなりかねない。(「ヘイトスピーチ対策について法整備を含む強化策を求める意見書」足立区HP)

オリンピック憲章では、人種、性別、宗教などによるいかなる種類の差別を禁じている。これはポリティカル・コレクトネスと一致するものだ。

杉田はこれまでも「男女平等は、絶対実現しえない反道徳の妄想」といった問題発言を繰り返してきた。しかし、マスメディアが今回の発言を大きく取り上げ、これほどまでに炎上したのはオリンピックが迫ってきたからだろう。

 

リベラル化する安倍政権

安倍政権は東京オリンピック開催のためにポリティカル・コレクトネスを推進する立場にある。差別問題において、安倍政権は保守ではなく、リベラルなのだ。

LGBT問題やヘイトスピーチ問題で安倍政権を批判しても、その批判がどこか的はずれであるのはこの理由による。