コンスタントに悩み相談が

この相談者からその後の返信はないため、どうなったかはわからないが、このコメントが付いて以降、コンスタントに悩みが書き込まれるようになっていった。みんな悩んで悩んで「吹奏楽部 辞めたい」などと検索し、見ず知らずのわたしのブログ記事にたどり着き、悩みを書き込んでいる。

わたしからの返信が書き込まれているかどうか、きっとスマホを何度もチェックしているんだろうな……と思うと、「できるだけすぐに返信してあげないと」と思うようになり、朝起きたら真っ先にパソコンを立ち上げ、コメント蘭をチェックするのが日課となっていったのだ。

返信を重ねるうちに、検索サイトで「吹奏楽部 やめたい」で検索するとわたしのブログ記事が上位に表示されるようになり、4年前の記事なのに吹奏楽部やそれ以外の部の子たちからもどんどんコメントが書き込まれるようになっていった、というのがこれまでの経緯だ。自分の中高時代を振り返ってみても、身内以外で相談できる大人なんていないことがよくわかるだけに、とにかく即レスを心がけた。

わたし自身、中高6年間吹奏楽の強豪校で過ごし、コンクールの全国大会出場経験もある。ハードな練習で休みも少なかったが、やりきってよかったと思うし、部活の仲間たちとは今でも仲が良く、とてもいい思い出になっている。

梅津さんの部活で全国大会の金賞を取った時の写真。梅津さんは前列左から5人目 写真提供/梅津有希子

そういった実体験がある一方で、現在、小規模な部から強豪校までさまざまな吹奏楽部を取材していると、自分のいた環境はかなり特殊な世界で、「合う人もいれば合わない人もいて当然」ということも理解できるようになった。基本的に、部活はやりたい人がやるもの。強制入部という学校もあるが、その問題はここでは一旦おいておく。

「親がやめさせてくれません」

一番身近な大人である親に、部活の悩みを相談する子どもは多い。ところが、「辛くて限界なのに親がやめさせてくれません」「部活のことを考えるとお腹が痛くなって起きられないのに、『引退まであと少しなんだからがんばりなさい』といわれます」などという悩みが、わたしのもとに定期的に届くのだ。

では、「部活をやめたい」といってきた子どもに、親は何といえばいいのだろうか。「人間関係がうまくいかない」「勉強との両立ができない」「後輩のほうが実力が上で辛い」など、やめたい理由はさまざまだろう。でも、悩んで辛い思いをしている子どもに、「考えが甘い」「やめたらダメ」とはどうかいわないであげてほしいのだ。

「あと半年で引退なんだから、何とかがんばりなさい」とついいってしまいたくなる気持ちもわかる。何事も最後までやり遂げることは大切だ。しかし、大人の半年はあっという間に過ぎ去るけれど、子どもたちの半年はとてつもなく長い

複数の吹奏楽部顧問から「今の子はやめるか続けるかの2択で両極端。『一度休んで考えてみる』という選択肢もある」といわれ、「そんなことをしていいのか」と驚いた。また、「嫌なら全然やめていい。その代わり、趣味や勉強に打ち込むなど、ほかの何かをみつけてほしい」という声も多かった。