余命3ヵ月宣告でも…有名人「私はこうして病気を治した」

「奇跡」とよぶしかないのかもしれない
週刊現代 プロフィール

心筋梗塞 元クリスタルキング・田中昌之 「救急車内で心肺停止 限界は超えるためにある」

「東日本大震災の10日ほど前のことでした。自宅のリビングでマネージャーたちと次回のライブの打ち合わせをしていたら、胸のあたりがザワザワするんです。

急な吐き気と、胸が差し込まれるような感覚が来て、トイレに駆け込んだのですが、何も出てはこない。

それからしばらくして、突然、『ゴォッ』という感覚が走った。焼けた火箸を喉から心臓まで串刺しにされたような気分でした」

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大ヒット曲『大都会』で知られる元クリスタルキングのボーカル・田中昌之氏(67歳)。彼は、'11年3月に心筋梗塞を発症した。心臓の冠動脈に血栓が詰まったのだ。

「そのとき『あ、俺は60歳前に死ぬんや』と思いました。それでロックンローラーが汚いなりで死ぬわけにはいかないと思い、這うようにして風呂に入り、歯も磨いた。

その後、マネージャーが手配してくれた救急車に乗せられたとたん、意識を失った。あとで聞いたら、搬送中にけいれんを起こし、心電図のアラーム音が鳴ったそうです。心停止ですね。あの世に行ってしまったんですよ。覚えてませんけれどね」

緊急手術で心臓の血管にステントを入れ、ICUに運ばれた。意識が戻ると、知人やクリスタルキングの元メンバーたちが真上から顔をのぞき込んでいた。

「退院後は、リハビリの日々です。体力には自信があったのに、わずか30m歩いただけで、もう動けない。家に帰ることもできない。

でも、人間、自分に限界をつくると、そこがゴールになってしまう。少しでも限界を超えなければという一念で歩き続けましたね。もう一度ステージに上がることだけを考えました」

 

田中氏はステージに復帰できたものの、まだ心臓には爆弾を抱えている。

「動悸が半端でなく大きくなることがあるんです。'15年4月に渋谷のステージに立ったときも発作が起きて、意識がないまま歌っていたらしいです。心房細動と診断され、また手術を受けました」

その後も田中氏はステージに立ち続けている。目標は70歳、80歳まで歌い続けることだという。

「病気ってね、予想していないところから一気にくるんですよ。超健康体だった人間が言うのだから間違いない。

そうなってからは、気持ちの持ちようがその後の人生を分けるのではないかな。僕の場合はステージに出ることでした。そのためなら死んでもいい。ステージで死んでもいいという気持ちで立っています」