余命3ヵ月宣告でも…有名人「私はこうして病気を治した」

「奇跡」とよぶしかないのかもしれない
週刊現代 プロフィール

胃がん 元チェッカーズ・高杢禎彦 「大量の臓器を失った それでも腹は減る」

元チェッカーズの高杢禎彦氏(55歳)が、がんの告知を受けたのは'02年。グループ解散から10年目、40歳のときだった。それまで健康診断を受けたことも、病院に行ったことすらなかったという。

そんな高杢氏が、ドラマの撮影の合間に食事をしていたら、急な吐き気に襲われた。食べ物が喉につかえるような、これまでに体験したことのないような強い違和感だったという。そこで、すぐに病院に行き、検査を受けた。

「担当の医師から、『やっかいな病気になりましたね。がんが胃から食道の結合部分まで広がっています。初期ではありません』と告げられました。その後は何を言われても遠いところからかすかに聞こえる感じでした。

視界もぼやけてしまい、まるで水の中にいるような感覚で、ただ『初期ではない』という言葉だけが頭の中をグルグル回っていました」

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すぐに1ヵ月後、手術を行うことになった。それは自身でも驚くほど凄絶なものだった。

「手術は7時間かかりました。横隔膜を大きく切って、胃と胆嚢と脾臓を全摘。食道の下半分や多数のリンパ節も摘出しました。実は手術前、妻に『切り取った臓器の写真を撮っておいて』と頼んでいたんです。

術後にその写真を見たんですが、大きなトレイの上に一抱えもあるような大量の臓器が写っていた。自分でも『よく生きていられるな……』と思いました」

 

手術後、3週間の入院生活を経て、無事退院を果たした。

「退院後、これからの生活のこと、仕事のことなどを考えると不安で押し潰されそうになりました。胃はないのに食欲はあるのです。

無理に食事をしてしまったら、小腸を使って再建した臓器が破裂し、病院戻りになってしまう。とにかくできないことだらけでした」

大手術から16年が経ったが、幸いなことに再発はしていない。一時はあきらめていた歌にも取り組めるようになった。

「告知された少し後、妻から『パパに万が一のことがあれば、私も後を追う!』と言われたのをよく覚えています。ひたすら現実から逃避していた僕を、その一言が引き戻してくれました。生きよう、本気でがんと対峙しようと思えるようになったのです。

いまは、この現在の僕の姿を見せることが、病気で苦しんでいる人の助けになればと思っています。大量の臓器をごっそり取っても、こんなに元気ですよって」