# 働き方

人事評価で「上位5%」に入った人たちの働き方「驚きの共通点」

重視しているのはシンプルなことだった
越川 慎司 プロフィール

行動ファースト

次の大きな特徴として浮かび上がったのが、彼らは「行動ファースト」である、ということでした。

とてもシンプルですが、生産性を高めるには、止まって考える時間より、「動きながら考える」ことが重要だったのです。

当然のことですが、彼らも判断ミスや失注などの失敗もしていることが分かりました。ただ、早い段階で失敗をしているので、そのリカバリーも早く、次の行動に活かして成功確率を高めていっているのです。面談等でこの点について伺っても、「失敗した後こそがチャンスだ」と答える人が多く、修正力が高いと感じました。

Photo by iStock

次に特徴的だったのが「接点の多さ」です。顧客のところに訪問する時はもちろんですが、「5%社員」は、社内でも動き回って、自発的に人との接点を作っていました。それも異なる部門、異なる世代の人たちと、Slackなどのチャットツールも使いこなしながら、会議ではなく「会話を増やしている」のです。

 

人との接点を作ることにより、直接自分の思いを伝え、仲間を増やし、人を巻き込んでいく。複雑な課題であればあるほど、一人の力では解決できないことを理解していて、多様な人たちとタッグを組み、スピード感をもってどんどん課題を見つけ解決していくのです。

仲間が増えるということは、仕事のお願いをできる人が増えるということです。自分ではやらなくていい仕事、誰かに任せればいい仕事は、仲間たちに積極的に振っていく。「動くこと」が仕事の質を高め、仕事の工程を減らすことにつながるのです。

それも一方的にお願いするだけでなく、自分の得意な仕事を率先して引き取る行動も多々見られました。ギブアンドテイクでスマートに関係を構築していく……それが彼らの仕事をもスマートにしていくのです。

待たせない

5%社員の特徴をもうひとつあげましょう。彼らの行動を分析すると、二つ、よく口にする言葉がありました。いわば、仕事を効率的に進める「魔法の言葉」です。

それは、「今いいですか?」と「それはできません」です。

とてもシンプルな言葉ですが、この言葉が言えるか言えないかが、「仕事ができる/できない」の大きな分水嶺だったのです。

仕事の効率があまりよくない人は、「こういう話をしたいんですが、来週の木曜日に、60分時間をくださいませんか」と、長文のメールでこんなお願いをしがちです。

相談相手のその時間が空いているかどうかも分からないのに、これでは調整に時間を要しますし、なにより、本当は60分も必要ないかもしれないのに、時間を取ってもらったという気持ちから、60分フルで時間を費やしてしまう。

仕事ができる人は、相手の時間も気にします。だから、誰かに相談するときには、「今いいですか?」と尋ねて、相手が応じてくれたらその限られた時間で目的を達成しようとしますから、話は要点だけになり、お互いに気持ちがいいのです。

「今いいですか?」は相手の気分を損なわず、お互いの効率を高めるための、魔法の言葉なんです。

もうひとつの「それはできません」も非常に重要です。

5%社員には、仕事ができるがゆえに、多くの仕事や相談が降ってきます。これをすべて受けていては、自分が本当にやるべきことに費やす時間が少なくなってしまいます。「嫌われる勇気」ではないですが、自分が何をやるべきで、何をやるべきでないかを明確にして、「できないことはできない」と断ってしまう。それが自然にできていました。

今後、職場にAIが浸透してくると、人間が何をやり、やらないかを決めることが求められると思うのですが、そんな中で彼らの「やらないこと」を決断する能力は、ものすごく重要なのです。ここは、大いに参考にすべきところです。