「やめたくてもやめられない」息子が陥ったスマホゲーム依存症の恐怖

息子がゲーム依存症になってしまった①
鈴木 優

もはや、本人は「やめたくてもやめられない」のだ

息子は一応大学2年生だが、後期からは大学を休学してしまった。休学するかどうか決めるとき、本人は相当に苦しんでいた。しかし、朝起きてから夜寝るまで片時もスマホを手放さずにゲームばかりやっていては、大学を続けるのは実質的にムリだ。

それでも一歩踏みとどまって休学にしたのは、息子自身にまだ大学に未練があるのと、親としてもこの間になんとかよくなってくれればという希望を少しは持っているからである。正直言って、かなり難しいだろうけれど……。

詳しくはまたの機会に書くとして、依存症の診断を受けてからの状況を少し説明すると、医者にはまず本人が納得したうえで、使い時間を決めるなど、スマホに関するルールをつくるようにすすめられた。だが、息子はその場で拒否した。

 

たとえば、風邪でも虫歯でも腹痛でもなんでもいい。病気で医者にかかったら、医者が勧めることに対して拒絶することはまずないだろう。依存症の場合は、不眠や体調不良を含めてさまざまな問題があるとしても、体のどこかが急に激しく痛くなったりするわけではない。なので、本人に病気であるという自覚がなかったり薄かったりするのかもしれない。

特に学生の場合は、すぐ生活には困らないから、いっそう自覚は芽生えにくいだろう。逆説的だが、深刻な病気から目をそらすために、自分は病気ではないと思い込もうとしている可能性もある。こうした「否認」は依存症に共通する傾向で、発見や治療を難しくする要因のひとつだという。

息子も大学1年生のときはまだそれなりに大学に通えていたから、病名を言われても自分が病気と思っていなかったフシがあった。医者を受診したのも、自分から病院に行きたいと言ったのではなく、私が連れて行ったからだ。

それに、何よりも好きなゲームをやる時間を減らすのはイヤなわけで、スマホのルールを拒絶するのは別に特別なケースではないらしい。ほかにも、グループワークなどへの参加もすすめられたが、それも息子は拒否。結局、息子は病院に数回行っただけで、いまは親だけが家族向けの会に通っている。

それにしたって、大学を休学するぐらいまでやり続けることはないんじゃない? というのはもっともな意見だ。私も全面的に同意する。ところが、もはや本人は「やめたくてもやめられない」のだ。結果として、本人も家族もつらくなる。ほかの親御さんの話を聞いてもその点は本当に変わらない。

photo by istock


 
ついでに言うと、無理にゲームをとりあげようとすると、暴力を振るうのがオチ。だから、初診のときに医者には決してゲームを取り上げないでくださいと言われた。恥ずかしながら、それは言われるまでもないことだったけれど。

また、最近になって、息子に健康診断を受診させたところ、なんと成人病の危険信号がいろいろと激しく点滅していた。2年生になってからはろくに歩かず、家のソファやベッドで1日中横になってスマホゲームをしているだけ。そのせいで10キロ以上太ったから、健康的ではないとは思っていたもののまさかここまでとは……。

正直言って、見た目は若者でも体はメタボなオッサンだ。ちなみに、運動不足で健康を害するのもゲーム依存症に共通する問題だという。

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とどのつまり、わかっちゃいるけどやめられない。だからこそ困っているし、不幸だし、病気なんだと思う。

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