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その片頭痛は、何か命に関わる病気の前兆かも……? 

心配なあなたに「頭痛先生」が教えます

『「片頭痛」からの卒業』(講談社現代新書)の著者、坂井文彦医師による「片頭痛」をめぐる連載。今回は、突然の頭痛に襲われたとき、あるいは片頭痛がずっと続くとき、誰もが感じてしまう心配、不安──「これ、クモ膜下出血とか脳腫瘍とか、脳の重い病気の前兆だったらどうしよう」を「頭痛先生」が解説します

命に関わる頭痛の見分け方

下の図は、おもな頭痛の起こり方と経過の違いを表わしたものです。縦に長く伸びているほど痛みが強いことを表わし、横軸は時間の経過です。

頭痛は一次性頭痛と二次性頭痛に分類できます。一次性は「頭痛そのものが頭痛」の病気で、図の上4つがそうです。二次性頭痛は、下の3つで、何かほかに病気やハッキリとした原因があり、その症状として起こる頭痛のことをいいます。

 

「とにかくひどい頭痛がするんです。脳腫瘍か何かの前兆でしょうか、すごく心配です」と、ときどき患者さんから聞かれますが、あまり心配しなくてもよいことが多いものです。

脳腫瘍で頭痛が起きるのは、腫瘍が大きくなり、まわりの脳や脳を守っている髄膜などを圧迫するためです。頭痛が起きる前に脳腫瘍の症状である、歩くときふらつく、ろれつが回らない、ものがダブって見える、手足に力が入らないなどといったことに気がつくはずです。

そういう症状のない頭痛には脳腫瘍の心配は、あまりないのです。

脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などが原因の頭痛は1~2週かけて徐々に強さが増すケースが多いです。腫瘍や血腫(血のかたまり)の増大とともに脳の圧が高まり、次第に周囲を圧迫して起こる頭痛で、トイレでいきんだりすると脳圧が上昇し痛みがひどくなります。

頭痛よりも、脳が圧迫されて出る症状が先に起こるのが特徴です。一次性頭痛と見分ける場合の大事なポイントは、頭痛以外にどんな症状があるかです。

慢性硬膜下血腫は頭部打撲の後、静脈からの出血が少しずつでも持続すると、1ヵ月後くらいには血腫が大きくなり脳を圧迫するほどになると頭痛が始まります。高齢者に起こりやすいので、手足の麻痺など頭痛以外の症状に気が付かないこともあり、注意が必要です。