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強権政治が振りまく「世界通貨危機」の行方~トルコもベネズエラも…

再びハイパー・インフレが起きる時代に
宿輪 純一 プロフィール

強権政治こそが危機の根源

トルコは以前から、慢性的な経常収支の赤字体質で、対外債務に依存してきた。本来なら通貨価値の維持のための金利引き上げ、財政緊縮などの政策をとる必要があった。

しかしエルドアン大統領は、インフレ、通貨危機を「西側の陰謀」と呼び、金利引き上げなど有効な防衛策をとることを拒否し、通貨当局への圧力を強め、経済閣僚に親族を登用するなど、強権的に正反対の姿勢を示している。このためIMFも支援を見合わせている。

反体制派を支持しているという疑いで、米国人牧師を軟禁。この解放を求め、米国トランプ政権は経済制裁を行ったが、これに対し、トルコも対抗措置を打ち出し、経済戦争の様相を呈している。このことが、直近のトルコ・リラの暴落の引き金となった。

その結果、トルコは、今回はまたデノミは行ってはいないが、ハイパー・インフレ(足許16%)となり、通貨も史上最安値を更新している。

新興国に、債務危機、通貨危機の火種が広く存在する中で、このように対応策がとられる見込みがなく、放置されている国が存在することが、他国への連鎖を市場が危惧する原因になっている。ちなみに日本の金融機関では、過去にトルコ・リラ建て債券が流行っていた時期があったが、大丈夫なのだろうか。

 

ベネズエラはもっとひどい状況だ。90年代末から始まったチャベス政権とその後継のマドゥロ政権の強権的なポピュリズム政策である「社会主義化」が失敗し、物資供給の低下、ハイパー・インフレが慢性化している。

紙幣を発行する通貨当局(中央銀行と政府)の信用が大幅に下落しハイパー・インフレ(足許100万%)になった。国民の経済・生活面でも悪化し。人口の10分の1が海外に流出しているような異常事態となっている。

そこで対策として、担保となる資産「原油」をひも付きにした2つ目の通貨(仮想通貨という報道があったがこれは誤り)ペテロを発行した。ところが、これが“全く”人気がない。

さらに最近、通貨10万「ボリバル・フエルテ」を1「ボリバル・ソベラノ」にする10万分の1のデノミネーションをおこなった。

実は、べネズエラは、2008年にもデノミをおこなっている。このときは、1000「ベネズエラ・ボリバル」を1「ボリバル・フエルテ」に1000分の1にしている。

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