テレビファンはいつから『27時間テレビ』に期待しなくなったのか

「楽しみだね」と話していた頃もあった
ラリー遠田 プロフィール

起死回生の一手となるのか

ここ数年、フジテレビの看板番組が立て続けに終了している。『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』『とんねるずのみなさんのおかげでした』『めちゃ×2イケてるッ!』など、かつての黄金期を支えた伝説的な番組が続々と打ち切りを迎えた。そんな中で『FNS27時間テレビ』にもついにメスが入れられることになった。

2017年の『FNS27時間テレビ』は、初めて全編生放送を放棄して、大半のパートを事前収録することになった。笑いを中心に置くこともせず、「にほんのれきし」というテーマを掲げ、面白くてためになる教養バラエティ路線を志向した。従来のお笑い路線が行き詰まり、局としても低迷期に入ったことを受け入れて、思い切った方針転換を図った格好となった。

そして、今年の『FNS27時間テレビ』も前年と同じ教養バラエティ路線である。「にほん人は何を食べてきたのか?」をテーマとして、日本の食文化を掘り下げる企画が行われる。

 

もともとは、社会的意義のある『24時間テレビ』をあざ笑うかのように、何の意味もないお笑いだけをやり通すところに『FNS27時間テレビ』の意義があった。だが、教養路線を貫く今の『FNS27時間テレビ』には、そのような「お笑い的」な大義がない。

そもそもなぜ27時間もぶっ通しで総力を上げて1つのコンセプトの番組をやっていたのか?  その根本的な理念が失われてしまっている。

とは言うものの、追われる立場から追う立場になったフジテレビには、もはや守るべきものは何もない。やり方を変えて攻めていかなければ勝機はないのだ。今年の3月に『みなさん』『めちゃイケ』を打ち切ったのも、抜本的な改革をしたいという意思の表れだろう。明るい材料があまり見つからない現状ではあるが、フジテレビの起死回生の一手に期待したい。

ちなみに、8月8日に出版された私の著書『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)では、フジテレビの低迷についてさらに詳しく書いている。かつてテレビ制作会社に勤めていて、フジテレビの番組制作を経験したこともある私が、その経験を踏まえてフジテレビをどう見ているかも赤裸々に語っている。興味を持たれた方はぜひ読んでみてほしい。