皆さんもゴマすりぐらいはしたことはあるでしょう。
私もゴマすり道においては黒帯3段と自負しております。
ゴマすりと相手にわかってしまうと逆効果になって怒ってしまうこともあります。
幸い私の顔はかなりゴツイので真面目な顔をすると本当のことを言っているとしか見えないという利点がございます。
かつての私の上司は「俺はゴマすりがうまい」と威張っておりましたが、(嘘だよ~ん)と顔に出てしまうので相手がよく怒っていました。
この人はそれに気が付かない。この人は白帯です。
昔ドイツのゲッベルスという人が「ウソも100回言えば本当になる」と言っていましたが、この上司は私に「おべんちゃらも10回言えばみんないい気分になるんだ!」とよく説教しました。
(う~ん、そういう傾向はあるのかな。これは名言かもしれない)と思った記憶があります。
私も、会社の外の人にはおべんちゃらを言ったことはあります。
それが人間関係の潤滑油になるならば仕事にスムーズに行くのですから、日本のGDPにも貢献しているでしょう。
しかし社内の人には40歳頃まで言ったことがない。
仕事と関係ないでしょう、なんて考えておりました。
ある時、霊感があって、政治家も悩みを相談すると言われていたオバサンのところに行きました。
別に霊感とか信じているわけではないのですが、昔取材してから妙に話が面白かったのでそれから仲が良くなったのです。
そのオバサンと話をしていたら突然、「あなた、今凄く苦手な人がいるでしょう」と言い出しました。
図星だったので私はドキっとします。
そこであるオジサンの話をしました。
するとオバサンがゲラゲラ笑いだし、「そういう人はネクタイの1本も誉めれば機嫌が良くなるのよ」と言います。
(そんなものかな?)と思いました。
数ヵ月後、偶然にその苦手なオジサンとエレベータで二人きりになったのであります。
(うん?ちょっと試してみよう)と思ったわけです。
さっそくネクタイを誉めると、そのオジサンは烈火のごとく怒るではありませんか。
「お前がほかの奴みたいにゴマするわけねえだろう!」と怒鳴るのです。
あれ、話が違うと思ったのですが、そこまで怒られるとこちらもカッとなって、「そういう俺がゴマすったんだから素直に喜んだらいいじゃない!」とケンカになったのであります。
なんか変なケンカですね。
どうも私のゴマすりは、私の性格を知りすぎた人には通用しないようです。
しかしほかの連中はそのオジサンにゴマするんだと妙に感心しまし
それでも、私のほうは「誉めるのがネクタイしかない人をどうやって誉めるんだろう」としばらく考え込んでしまったのです。