倍率50倍…!色々あっても医学部が異常な人気を維持し続けるワケ

合格率は7%
原田 広幸 プロフィール

女子差別の現実

2008年度より実施された政府主導の医学部入学者定員増政策は、昨年(2017年)、10年間の期限を迎え、終了した。2018年、医学部定員の総数は2017年度に比べて1名減の9,419人。今後しばらくは横ばいで推移するだろう。

国公立大学の定員は、前年より13名定員が減り、入試倍率は14.8倍となった。
私立医学部の入学者定員は、2017年の3,633人から、2018年は3,645人と12名増えており、入試倍率も2017年の18.3%から、2018年は18.7%と増加している。

そこに今回の東京医大の女性差別問題の発覚は、医学部受験にどのような変化をもたらすか。

8月2日に発表された、「学校基本調査・速報値」(文部科学省)によれば、2018年の大学における女子学生の割合(学部)は、45.1%で過去最高であった。しかし、医学部合格者における女性の比率は、なぜか、3割ほどしかないとされる。医師国家試験の合格率は32%程度だ。

コラム『医学部専門予備校運営のプロが絶望した、この国の「入試差別」の実態』<https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56954>の最後に全医学部の男女比率を掲載しているが、上位の私立や数学がとりわけ難しい国公立では、女性比率が25%程度のところもざらであり、東大、京大、東北大、九州大、札幌医科大学に至っては20%を下回っている。

 

今後、一次試験や面接試験においても、女性差別が一切なくなり、公正な選考が行われるようになるならば、この数字が一般学部平均の45%に追いつき、また、東京医大で言われたように、「女性の方が試験の点数が高い」ならば、男子を上回る可能性も十分ある。

しかし実は、女子差別は、形式的なものにとどまらない。

入試問題の数学を難問化することによって、事実上の女子差別を継続することは可能だからだ(一般論として、数学が難問化すると、女子が受験を避け、女子の合格者も少なくなる傾向がある)。

こういった目に見えない女子差別、つまり制度による合法的差別は、しばらくは継続するかもしれない。ただ少なくとも、東京医大の一律減点措置のような、目に見える差別はもはやできない。そんなことを続けていたら、大学のブランドにも傷がつくからである。

ではもし仮に、入試問題の科目ごとの配点を大幅に変更したり、数学を難問化したりするような措置が施されたら、どう対応すればよいか。

数学が苦手な受験生でも、医学部に合格することは可能だ。英語や理科の成績を人並み以上に上げることで、数学の失点をカバーすればよいのである。数学と違って、語学や理科(とくに化学・生物)は、繰り返しの継続的学習で、比較的短期間で学力を伸ばせる科目である。

数学の天才児はよくいるが、語学の天才はいない。理科も、新しい発見を目指すものではないので、読解力と継続力があれば、誰でも医学部合格レベルには到達できる、と私は思っている。

形式的な差別が無くなってくれば、上記のような勉強の戦略によって、今年は、今までより多くの女子受験生の合格者が輩出されることは確実である。

差別に立ち向かっていく皆さんの気概を期待したい。