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倍率50倍…!色々あっても医学部が異常な人気を維持し続けるワケ

合格率は7%

女性・多浪生差別問題に揺れる医学部、その背景には、近年ますます過熱する医学部受験競争が背景にある、と長年医学部受験指導に携わる原田広幸氏は指摘する。倍率14倍、最低偏差値62.5という厳しい医学部受験の現状を聞いた。

異常な人気ぶり

医学部への入学志願者は、20年前の約9万人から毎年増える状況となり、近年は、13万人程度で推移している。毎年「今年がピークだ」と言われ続けているが、2018年までは、志願者増加の一途を辿っている。日本の医学部入学定員約9千人に対し、なんと14倍もの受験生が殺到しているのだ。

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全大学の医学部の最低偏差値は62.5(河合塾による)で、合格率7%という超狭き門である。

入試倍率は、国公立の前期試験で約5倍、後期試験では約18倍、10年間ほぼ横ばいの数字となっている。私立大学の医学部となると、2桁台の倍率は普通で、おおよそ18倍~20倍が平均と考えてよい。不正入試事件を経て2019年の入試倍率がどうなるかは未知数だが、全体としてはそれほど大きな変化はないと、著者自身は予測している。

 

入試倍率50倍を超える医学部も

2018年度の一般入試(推薦入試やAO入試ではない通常の入試)の具体的な数字をみると、帝京大学の医学部は、ほかの多くの医学部よりも少ない3科目で受験ができ、かつ「数学」の出題範囲も狭いことで人気だ。

他学部との併願者も多く、入試倍率は52.8倍(2018年度)にも上る。(河合塾医進塾http://ishin.kawai-juku.ac.jp/による。以下、大学別の入試関連データは同サイトより引用。)

冬の一般入試では、私立大学では前期・後期、Ⅰ期・Ⅱ期など、選抜方法と定員を分けて入試を実施している。定員の少ない後期(Ⅱ期)試験などでは、50倍を超える学校が多い。

2018年度の、埼玉医大(後期)は55.5倍、昭和大(Ⅱ期)は53.1倍、日本医科大(後期)は60.2倍、藤田保健衛生大学(後期)は66.3倍、大阪医科大(後期)は57.5倍、関西医科大(後期)は83.7倍、近畿大(後期)は74.7倍、2科目で受験できる金沢医科大(後期)は148.8倍を記録した。

目の眩むような競争率である。なぜなら、前半の入試で受からなかった多くの受験生が、最後の望みをかけて挑戦してくるからだ。

私立大学医学部でも、センター試験(の結果)を利用できる「センター利用型入試」がある。センター利用の志願者数は年々増えており、埼玉医大が87.0倍、3科目で受験できる帝京大学で110.5倍。

一体誰が受かるのか?と思われるかもしれないが、センター利用枠は、国公立医大の志望者も、「念のため」に出願だけをしておく場合も多く、国公立医大に合格すればもちろん辞退する。したがって実際はこれよりも相当低い競争倍率となるが、それにしても高い。