2018.09.12
# 銀行 # FinTech

これが銀行の「未来の姿」だ…結局、4つのタイプに集約される

「モバイル型」から始まる大変革
泉田 良輔 プロフィール

変化はまず「モバイル型」から

「モバイル型」は、個人向けに特化した銀行として、「決済」「資産形成」および「貸出」のプラットフォームとなることが期待される。

Photo by iStock

このタイプは、銀行に預金することに実生活でどんなメリットがあるのかを示す必要がある。利用シーンを考えると、自宅でも外でも、いずれでも利用できる必要があり、その名の通り「モバイル型」であることが必須だ。

モバイル型というと、すでにインターネット銀行(ネット銀行)もあるので、目新しさはないのでは、という指摘もあるだろう。では、現在われわれが見ているネット銀行との最大の違いは何か。それは「銀行口座と連動して、さまざまな決済に対応できるプラットフォームになれるか」ということである。

米国では、デビットカード決済が普及している。デビットカードであれば銀行口座と紐づいている。

一方、日本ではデビットカードよりもプリペイドや電子マネー決済がより使われている。すでに日本のネット銀行も、デビットカード機能のあるキャッシュカードを積極的に展開しているが、まずはどの程度まで普及させられるかだ。

ただし、銀行口座とプリペイドや電子マネーとを連携させ、決済を簡単にさせただけで一気に普及するかというと、ことはそれほど簡単ではない。

 

たとえば、JR東日本のSuicaが提供するモバイルSuicaは、すでに銀行口座からチャージできるようになっている。もちろんクレジットカードや携帯電話会社のキャリア決済もできるようになっている。

しかし、モバイルSuicaの普及が進んでいるとはいいがたい。2016年9月末時点で、Suicaの発行枚数が約6144万枚であるのに対して、モバイルSuica会員数は約318万人しかいない。モバイルSuicaの利用率はわずか5%だということになる。

日本で普及していたiPhoneでモバイルSuicaが利用できなかったことなどもあろうが、2016年10月以降はiPhone7の「Apple Pay」でSuicaを利用できるようになった。今後、モバイルSuica会員数の推移を追っていくことで、日本でのプリペイド・電子マネーと銀行口座の相性も見えてきそうである。

ちなみに、現在モバイルSuicaで銀行チャージができる金融機関は、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、じぶん銀行である。

さて、モバイル型の決済は、スマートフォンをはじめとしたモバイル端末での決済や送金指示などが前提となっている。したがって、必ずしも銀行の実際の支店は必要ない。

将来はこれまで以上にキャッシュレス環境が整備されていくだろうが、仮に現金が必要なシーンも、コンビニエンスストア(コンビニ)のATMで済むはずだ。MUFGコイン(編注:三菱UFJフィナンシャル・グループが開発中の仮想通貨)のように利用者間でやり取りができるようになれば、さらに現金への依存度も小さくなるだろう。

モバイル型の最終形はどのような形なのか? それは将来、個人間のやり取りが進んだ場合に、特定企業のサービスプラットフォーム、たとえば、UberやAirbnbといった企業の決済プラットフォームを使うのではなく、個人間で決済できるという状況ではないだろうか。

フリーマーケットのような状況をイメージできればよいと思うが、これまでは現金でやり取りをしていたのが、デジタルで銀行口座を相手に教えることなく決済ができるイメージだ。

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