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安倍総理「総裁選圧勝」で干される人、飛ばされる人、選ばれる人

田原総一朗×田崎史郎

圧勝が予想される以上、すでに、安倍総理は9月以降の人事構想に入った。だが、非常に複雑なピースに「最適解」を見出すのは困難だ。長年、政界を見続けてきた二人が、総理の「次の一手」を読む。

 

菅vs.二階の幹事長レース

田原 9月20日の総裁選終了後、安倍晋三総理は内閣改造・党役員人事に着手します。安倍さんは誰を選ぶのか?

その最大の焦点は幹事長ポストです。二階俊博さんの続投なのか。菅(義偉・官房長官)さんや岸田(文雄・政調会長)さんも狙っているでしょう。

田崎 二階さんは留任だと思います。二階さんは幹事長ポストにものすごく執着していますからね。健康不安説もあるが、私が会って話していてもとても鋭くて、そんな感じはまったく受けない。

「自分の派閥を優遇しすぎる」などという批判もありますが、抑え役として二階さんに代わる人はいません。いち早く安倍三選支持を明確にするなど忠誠心も示している。

田原 菅さんはどうでしょうね。

田崎 政権運営上、外せない存在ですし、官房長官留任でしょう。幹事長は狙っていない。いま、政府与党の権力構造では、党よりも圧倒的に政府が強い。

直接官僚に指示できるし、物事を実現できる。党はそれにちょっと口出しができる程度で、常時権力を握っていられるのは官房長官なんです。

田原 いまは内閣人事局があって、完全に官僚を抑えている。加計学園問題で、「総理のご意向」文書を彼が「怪文書」と言い切ったとき、僕は「もう辞めたらどうか」と菅さんに言ったんです。

すると、「私が辞めたら内閣が持たない」と言っていた。相当自信を持ってやっているなと思いました。

一方、総裁選の出馬を見送った岸田さんに対する「人事」は見物です。

田崎 岸田さんは安倍さんへの三選支持が遅れた上、消極的選択肢として支持したという印象を与えた。周囲からは幹事長待望論があるが、本人がどれだけこだわっているのかは疑問です。こだわっていたら、もっと違う動きをしたのではないかと思います。

田原 確かにね。やっぱり本人は安倍内閣を支えようという思いなのでしょう。ところで、僕は自民党の幹部の中では珍しく、岸田さんとは付き合いがないんです。

田崎 田原さんだけじゃなく、他の人との付き合いも薄い。政治家を長くやっているとメディアとの付き合いもできてくるものだが、そういうところは岸田さんの弱点です。

田原 結局、岸田さんは政調会長留任ですかね。

田崎 そうですね…ただし、それは副総理と財務大臣を兼任している麻生(太郎)さんの人事次第だと思います。今回の人事で私が一番注目しているのは、麻生さんが閣内にそのまま残るかどうかという点です。

田原 本人は残るつもりでいますよね。財務省が決裁文書を改竄していたことが明らかになったとき、党内でも麻生さんは辞めるべきだという声があったが、結局辞めなかった。

当時、側近によれば麻生さんは、「自分が辞めたら安倍に責任がいく。安倍を守るために俺は頑張る」と言っていたそうです。しかも麻生派は全面的に安倍支持です。安倍さんとしても麻生さんを代えるのは困難では。