皇室とも縁戚…38歳「エリート財務官僚」突然の訃報の無念

父は水戸徳川家直系のサラブレッド
週刊現代 プロフィール

2年間のイギリス留学から帰国した後は、日本銀行に出向。金融市場局の職員として、統計分析の知識を生かして本格的な論文を書き上げるなど、持ち前の分析力に磨きをかけていた。

千家氏の日銀時代、同僚だったB氏が言う。

「ある時、パワハラで有名な上司が、千家さんに理不尽な仕事を言いつけたことがありました。

すると、彼は『なぜそんなことをする必要があるのでしょうか。絶対にやりません』と悠然と反旗を翻した。それで『さすが貴族は媚びないな』と、一目置かれるようになりました。

酒の付き合いも悪いわけではなく、飲み会では決まって幹事を引き受けていました。周囲が馬鹿なうわさ話をしていても、自分は交じることなくニコニコと眺めている。

彼の家柄が話題に上ることも少なくありませんでしたが、自慢するわけでもなく、かといって変に謙遜するわけでもない。本当に育ちのいい人だから、立ち居振る舞いに嫌味がなかった」

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その後、千家氏は金融庁監督局などを経て、財務省へ帰任、財務官僚の「花形」である主計局に配属となり、予算編成を担当していた。

そしてこの夏の人事異動で、金融危機への対応を準備する現在のポストに移ったばかりだった。

「(亡くなる前日の)8月6日には、いつも通り出勤していました。体調を崩している様子もなく、元気そうだった」(前出とは別の財務省職員C氏)

 

だが、翌日――。

時間に正確で、遅刻などすることのない千家氏が昼になっても出勤してこない。

不審に思った部下が千家氏の携帯を繰り返し鳴らしたものの、呼び出しに応答せず折り返しもなかった。

〈これはどうも様子がおかしい〉

部下は心配し、緊急連絡先になっている千家氏の妻に連絡を入れた。

「千家さんの家庭は共働きで、出社の早い奥さんのほうがいつも先に家を出る。『出勤していないなんてあり得ない』と驚いた奥さんは、勤務先を早退して急いで帰宅した。そこで、顔を歪めたまま息絶えている千家さんの姿を発見したそうです」(C氏)

千家氏の妻は、大急ぎで119番に通報、救急車を呼んだものの、蘇生することなく帰らぬ人となった。もともと千家氏に持病はなく、突然の心停止だったという。