ZOZOの敵がアマゾンではなく、「田舎のアウトレット」である理由

知られざるビジネスモデルの正体
鈴木 貴博 プロフィール

通販競合大手でまっさきにこの点に気づいていたのはアマゾンです。むしろアマゾンが倉庫に投資をすることで競合に対して最大の競合障壁を築くことができることを示し、ZOZOTOWNはそれを後から学習し、忠実に同質化していったのです。

しかしそのアマゾンもZOZOTOWNの強みが百貨店のビジネスモデルをネット上に持ってきたところにある点に気づかなかった、ないしは気づいても本社の意向で同質化投資ができなかったわけです。

 

アマゾンと楽天ができなかったこと

楽天の場合はZOZOTOWNを競合だと認識していなかったと思います。

楽天のビジネスモデルは出店しているひとつひとつのお店から出店料や売上の一定のパーセンテージを手数料として受け取るモデルです。要するにイオンモールのようなショッピングモールをインターネット上に持ってきたビジネスモデルなので、百貨店をインターネット上に持ってきたZOZOTOWNは見た目上競合しない。競合しないから対策が後回しになるというわけです。

ということはZOZOTOWNの事例からファッション業界が学ぶべきことは、競合が存在しないビジネスモデルで参入することで、後発でも一大企業へと成長することができるという事実です。

実はZOZOTOWN自身が「われわれの競合企業がどこかははっきりしない。あえて言えば百貨店」と表現しています。本人を含めて、ZOZOTOWNの競合がどこかがわかっていないのです。

さて、この話にはオチがあります。ZOZOTOWNのヘビーユーザーである消費者は、実はZOZOTOWNが何の競合なのかを一番よく知っているという話です。

実際、私もその話を聞いて、ある小売業態とZOZOTOWNを使い比べてみたところ、なるほど、ふたつのお店はよく似ているなとその話に納得しました。

それは“ユーザーにとってZOZOTOWNは、今、日本各地に建設されているアウトレットモールと同じ買い物を楽しめる場所だ”という話なのです。

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ちょうどこの夏、私は一週間の休暇を軽井沢で楽しみました。駅の南側にあるプリンスのゴルフコースを改装した巨大なアウトレットモールにも2度出かけました。理由は1度では回れないほど広いからです。

私は一昨年から芸能プロダクションに所属するようになった関係で、戦略コンサルタントの仕事以外に、テレビやメディア取材の仕事を受ける機会が増えました。それでこれまで買ってこなかったようなメディア用の衣装を揃える必要がでてきました。その買い物にはアウトレットモールは最適なんです。

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