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ZOZOの敵がアマゾンではなく、「田舎のアウトレット」である理由

知られざるビジネスモデルの正体

ZOZOが成長できた「本当の理由」がわかりますか?

世の中には一見簡単そうで実は説明しにくい謎というものが存在します。その実例がZOZOTOWN。ZOZOTOWNがなぜ成長できたのか、小売業界の人に説明してもらおうとすると、必ず途中で説明がつかなくなるのです。

 

これがユニクロやH&Mならばそんなに大きな謎はありません。定番のカジュアルや、先端のハイファッションを優れたデザイナーにデザインさせて、徹底的に安価な製造工程で大量に製造する。とても魅力のある商品があれだけの安価で手に入るのだから、それは成長するのは当然だろうという説明です。

ではZOZOTOWNの場合はどうでしょう。売上高は(運営するスタートトゥデイ全体で)約1000億円弱とファッション小売としてはそれほどの規模ではありませんが、純利益は実に200億円と業界内でも圧倒的な高収益。その収益性の高さから株式の時価総額は1.1兆円。創業者の前澤友作社長は100億円の豪邸を建てたりプロ球団取得に名乗りを上げたりと、桁はずれの業績を示しています。

しかし経営学的に考えると2000年に創業したばかりの、主に他社ブランドの製品を販売する小売会社がここまでの成長することを説明するのは簡単ではありません。業界の人に説明してもらうと「こうこうこういう順序で成長できたのだよ」と言うのですが、そのたびに私が投げかけるキラ―クエスチョンは「ではなぜ競合する小売店はそれを指をくわえて見ていたのですか?」ということです。

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経営戦略理論には絶対定石があります。ベンチャー企業がいい感じで成長を始めた場合、同じ市場の大手企業は同質化サービスをより大きな規模でぶつければ潰すことができる。そして大企業は必ずそうすべきだというものです。

もちろん今の規模まで成長してしまったZOZOTOWNを潰すのはまず無理です。しかし通販大手の楽天市場やアマゾンはなぜインターネット通販の一番のボリュームゾーンであるファッションの分野で、ZOZOTOWNの成長をただ手をこまねいて見ていたのでしょうか。また同じ商品を扱う百貨店各社は、なぜZOZOTOWNが成功をし始めたころに巨額な資本を武器に、同じサービスをぶつけにいかなかったのでしょうか

先に私の答えを提示しておくと、“これらの会社がZOZOTOWNの市場がブルーオーシャン(まったく別の市場)だと気づいていなかったから、ZOZOTOWNは無競合のままで成長ができた”というものです。

では順に謎を解いていきましょう。