ビットコイン、年内に「上昇相場」が起こるといえる3つの理由

半値戻し、135万円を目指す展開へ
田代 昌之 プロフィール

国内の規制強化が「追い風」になる

当局は仮想通貨事業者に自主的な「利用者保護」「AML」を求めていたが、金融よりもシステム的な要素の多い交換業者の多くは、事業拡大にまい進した結果、こうした最低限の重要事象をおろそかにしてしまったわけだ。

仮想通貨事業者は、利用者だけではなく当局の信頼も無くしてしまったことから、当局の規制が強化されるのは致し方ない。

 

今後、4月23日に発足した「日本仮想通貨交換業協会」が、金融庁に自主規制団体として認定されれば、仮想通貨事業者はこの協会が策定した自主規制ルールを遵守することが求められる。自主規制ルールが誕生することで、社会的な地位も少なくても一段は上がることだろう。整備しなくてはならないことが山積みではあるが、利用者保護やAML、自主規制ルールといった基本的な内容を遵守する姿勢が重要である。

2017年のように稼ぐことが難しくなったなか、コインチェックの一件で当局による規制が強まったことから、目先の高い収益性に目を奪われて参入した事業者はかなり焦ったことだろう。

内部管理体制やAML、利用者保護といった金融業界では当たり前の体制を作り上げるには、それなりのコストがかかる。体制作りに欠かせないのは、金融出身でそのジャンルの知見を持った人材を集めるしかない。

体力のないみなし業者や、体制作りが後手に回った業者、金融を甘く見ていた業者は、こうしたアクションが欠けたのだろう。金融商品取引法(金商法)のカテゴリー外ではあるが、体制作りには金商法や改正資金決済法、そして、今年2月に発表された「マネー・ロンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン(案)」などに準じたガバナンスが必要だと考える。

今後、国内仮想通貨事業者の淘汰などが進む可能性は高いと考えるが、利用者からするとセキュリティ性が高く、コンプライアンス体制が整っている事業者が明確となった方が安心するだろう。

昨年の活況状況とまではいかずとも、規制強化によって安全性が高まり投資家が仮想通貨市場に戻ってくれば、ビットコインは緩やかな上昇をみせると考えている。昨年11月の60万円水準から12月の200万円台という激しい上昇は想定していないが、年末にかけて、今年の高値(205万円)から安値(65万円)の半値戻しの水準である135万円を期待してもおかしくはないだろう。

株や為替と違い需給面の影響をダイレクトに受けることから、価格の裏付けは正直乏しいが、上記のような市場の健全化に伴う参加者の増加をメイン材料と考える。