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設備の老朽化は致命的...「水道改革」はやっぱり待ったなし

安すぎた料金の適正化は急務だ

水道管破裂の被害が続出する

当たり前の公共サービスの一つである「水道」。水道がない生活など考えられないが、現在、そのサービスは大きな危機に直面している。老朽化が原因である。

水は水源から採取されて、浄水場、配水池、水道管路を経由して各家庭や事業所に供給される。給排水の途中には圧力を加えて送るためのポンプも必要となる。こうして日本中で膨大な設備投資が行われた。

 

「蛇口をひねれば、そのまま飲める水が好きなだけ手に入る」という世界的にもまれな恵まれた環境はこうした努力の末に実現した。

しかし、それぞれの水道施設はコンクリートや金属など寿命が有限の資源で作られているので、時間が来れば次第に劣化していく。水道管に開いた穴は管を破裂させ、水を勢いよく噴出させる。

噴出する水を止めるためには、水道管をどこかで遮断する必要がある。遮断すればその地域は断水する。遮断できなければ、あるいは遮断するまでの間、水は周辺地域にあふれ浸水を引き起こす。

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2018年7月4日、東京都北区西ヶ原1丁目では建設後60年を経過した水道管に穴が開き、漏出した水道水で近隣の商店街の14店舗が浸水し、住宅を含め30戸が断水した。これは一例に過ぎない。水道技術研究センターの調査では、年間2万件以上の管路事故が発生している。

地面の下には、ガス、電力、通信など他の種類のインフラも通っているので水道管の破裂事故は他のインフラにも影響を与える。老朽水道管の破裂により、近くを通っていたガス管が破損し、ガス事業者に多額の損失が生じ、それを水道事業者である自治体が補てんした例もある(2011年6月に発生したガス管破損事故に対して、京都市水道局が大阪ガスに対して約9億9千万円の賠償金を支払った)。

平常時ですら被害が出るのであるから、地震が起きればさらに被害は大きくなる。阪神淡路大震災では約130万戸、最大90日の断水が生じた。東日本大震災では、約256.7万戸、最大約5か月(津波地区等を除く)断水している。

老朽化した管路は地震の揺れを受ければ簡単に破損してしまう。地震は想定外でも、老朽化は想定内だ。老朽化した配管を壊れる前に取り換えることで被害を未然に防ぐ、少なくとも軽減することができる。