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ヒト受精卵の「ゲノム編集医療」で中国が独走状態にある理由

規制に縛られる日米欧の科学者たち

治療対象となる病気は7000種類以上

ヒト受精卵に最新鋭のゲノム編集技術を施し、深刻な遺伝性疾患の原因を除去することに中国の研究チームが成功した。

https://www.cell.com/molecular-therapy-family/molecular-therapy/fulltext/S1525-0016(18)30378-2

これは子供が生まれてくる前に、病気の芽を摘んでしまうことを意味する。こうした治療法がいずれ実用化されれば、人類を苦しめてきた数多くの遺伝病を撲滅できると期待されている。

今回の実験(基礎研究)を行ったのは、広州医科大学と上海科技大学の共同研究チーム。彼らは体外受精(IVF)によって得られたヒト受精卵をゲノム編集し、「マルファン症候群」の原因となる遺伝子変異を修正することに成功した。

この病気は、ヒトの15番染色体上にあるFBN1遺伝子の変異による難病。全身の結合組織が異常を来たすことで、「大動脈瘤」や「骨格変異」、「自然気胸」など様々な症状が引き起こされる。

このマルファン症候群のように、たった1箇所の遺伝子変異によって引き起こされる遺伝病は、一般に「メンデル性疾患(単一遺伝子疾患)」と呼ばれる。メンデル性疾患には全部で7000種類以上あるが、そのうち約4000種類で病気の原因となる遺伝子変異が特定されている。

 
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