不動産ビジネスにダマされる人の「残念すぎる共通点」

あなたの名簿、回されているかも…
長嶋 修 プロフィール

ワンルームマンション投資の落とし穴

これにかぎらず、巷には不動産リテラシーに乏しい層を狙った投資話が溢れています。たとえば、一般のサラリーマンが副業的にできるということで都心のワンルームマンションへの投資がブームになっていますが、あれだって色々と問題があります。

投資用のワンルームマンションは今なら表面利回り4%前後のものが主流ですが、これを一般のサラリーマンが購入する場合、多くは融資を受けて購入することになるでしょう。

しかしこの場合、ローンの金利支払いがありますし、表面利回りは4%でも諸経費がかかるので、実質利回りは1~2%ということもあります。そのため表面利回りが4%だと、毎月の収支が良くてプラスマイナスゼロ、悪ければマイナスになりかねないのです。

 

それでも不動産屋のセールストークでは、このマイナスの分は税金が戻ってくるから節税になるということになりますし、実際にそういう理屈で買っている人が大半だったりもする。ですが、私に言わせればそんなものは投資ではありません。

一定の融資を使って買うのであれば最低でも9~10%の表面利回りの物件でないと、今の低金利水準であっても、毎月の安定的な収支にはつながりません

一方でこういう図式を理解しないままに不動産屋の口車に乗せられ、ワンルームマンションに投資してしまう人もたくさんいます。どういう人がひっかかりやすいかというと、不動産屋にとっては「世間知らず」の代表格である地方の公務員やお医者さん、あるいは世の中に必ず一定の割合で存在する、「強く押されると断れない人」。……そういう人たちが電話営業だけで、物件も見ないまま買ってしまう、ということが往々にしてあるのです。

そんな買い方をした物件の場合、得てして5年後か10年後には取得時の6掛けくらいまで価値が下落してしまいますが、不動産業界が恐ろしいのは、こうやって物件を買った世間知らずな人たちの「名簿」が売られていることです。

業者がその名簿に載っている投資家に電話し「いま売らないと大損ですよ」と脅すと、5年前に高値で買わされた投資家はまたも素直に安値で手放してしまうので、二重に損をさせられてしまいます。信じがたいかもしれませんが、そういう世界が世の中には本当にあるのです。

このように、悪質な投資話を見分けることもできない人が、おいそれと不動産投資の世界に足を踏み入れたら、大火傷をすることになりかねない。最低限の選球眼は身につけておく必要があるのです。