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不動産ビジネスにダマされる人の「残念すぎる共通点」

あなたの名簿、回されているかも…

不動産投資を英会話に例えると……

不動産投資は基本的に「ミドルリスク・ミドルリターン」であり、ほとんどの場合、賃料がある日いきなり2倍になることはありません。逆に、月8万の賃料が一気に3万に下るということもありません。ある程度の「選球眼」、つまり良い物件と悪い物件を見分け、胡散臭い話は回避する健全な「選球眼」さえ身に着けることができれば、安定収入を得ることはそれほど難しいことではありません。

ところが、この選球眼を身につけるには、それなりの勉強を積む必要があります。英会話にたとえるなら、ネイティブ同様に話せる(=不動産のプロになる)必要はないけれど、日常会話は支障なくこなせる……ぐらいのレベルには達している必要があるのです。

不動産投資に「選球眼」が必須である理由を、今年5月に発覚して社会的にも大きな関心を呼んだ、「かぼちゃの馬車事件」を例に取りながら説明しましょう。

 

この事件では今年4月に民事再生法を申請して破綻した不動産会社スマートデイズが、「かぼちゃの馬車」というシェアハウスを投資用不動産として建て、年収800~1000万円のサラリーマンや公務員らに販売。さらに販売したシェアハウスを投資家から一括して借り上げて運営し、投資家たちには一定の手数料を差し引いたうえで賃料を支払うという「サブリース」事業を行っていました。

投資家たちを勧誘するにあたり、スマートデイズは「利回り8%、賃料30年保証」という非現実的な好条件を提示しており、さらに1億円単位の投資資金は、スマートデイズがスルガ銀行と提携するローンで全額……つまり頭金ゼロで賄えることになっていました。

こうして、「素人でも気軽に、リスクを負うことなく不動産投資ができる」と思いこまされた約700人の投資家が契約したものの、人によってはほとんど家賃が入金されないままスマートデイズは破綻してしまった、というものです。

スルガ銀行が1億円単位の事業資金を融資するにあたっては、スマートデイズが投資家の預金残高を多く見せかけるなど審査書類を改ざんしていたことも判明しています。

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また一部報道によれば、この不正にスマートデイズだけでなくスルガ銀行の多数の行員も関与していたことをすでに第三者委員会が確認しており、9月上旬に公表予定の調査結果報告書では、同銀行と、不正を黙認した銀行経営陣の責任も認定する方向であると伝えられています。

ただ、こうした手口は審査書類の改ざんも含め、20年ほど前までならば、この業界ではしばしば耳にする話でした。コンプライアンスが重視される昨今はさすがにこの手の業者はいなくなったと思っていましたが、それだけに私が第一報に接した時は、「このご時世に、まだこんなことをやっている業者がいたのか」というのが正直な感想でした。