なぜかお金が「貯まらない人」たちが陥りやすい、ある意外な落とし穴

楽しくなければ増やせません
横山 光昭 プロフィール

株・生保・住宅ローンもチェック

次に家計簿などまったくつけていない人はどうすればいいのでしょうか。

記録がないのだから、振り返りようがない、と諦めることはありません。今からでもこれまでの一年を振り返る方法はあるのです。今までなにもしてこなかった分だけ多少は面倒もありますが、1年に一度のことと腹をくくり、がんばってみてください。

まず手始めにやってほしいのは、預貯金などの資産の現状の確認です。

1年前の貯金はいくらで、今の残高はいくらか。これは、預金通帳を見ればすぐに分かるはずです。ただ、最近は給与振り込み口座のほかに、ネット取引用のネット銀行口座や家賃の引き落とし専用など複数の口座を持っている人も多いでしょう。

 

その場合はもちろんこれらの残高を調べ、総額でいくら現預金があるのかを正確に集計してください。それだけでも結構手間がかかるかも知れませんが、なかには最近まったく出し入れしていない口座に意外な金額が入っていたことを思い出して、ちょっと得した気持ちになれるかも知れませんよ。

預金の確認がすんだら、次は投資も含めた資産のチェックに取りかかりましょう。中には一年間ほとんど持ち株の評価損益を確認していない、という人もいるかも知れません。

値下がりし始めると人はその現実から目を背けたくなるものなのですが、ここは勇気を出して現状と向き合い、必要なら損切りを考えてもいいかも知れません。

資産のひとつとして忘れがちなのが、生命保険です。生命保険はまさかの保障のために入るのはもちろんですが、保険料を払い続ければ、なにかあった時はそれを解約することで資産にもなるのです。これまでいくら保険金を払い、解約返戻金がどれだけ貯まっているかも調べてください。

一方で、住宅ローンなどの借入がある場合も、これまでいくら返済して、あといくら残債があるかを確認しましょう。この他、自動車ローンや、教育ローンを借りている場合も、それぞれの支払金額と残債、返済までの年数などを書き出してください。

現状が分かれば、完済まで頑張ろうというやる気も出ますし、逆にまだまだ残っていることを知ることで、借金をすることがいかに家計を圧迫しているかに気付くことにもなるのです。

1年間の大きなお金の出入りのアウトラインがつかめたら、次は直近1カ月分でいいので、費目ごとの支出額も書き出してみましょう。あまり細かくし過ぎると大変ので、住居費、食費、通信・光熱費、教養娯楽費……など5つ程度で充分。自分の支出の中で多い物から5つ程度を選ぶといいでしょう。

領収書などまったく記録がなければ、クレジットカードの明細などで確認できるものだけでも構いません。それだけでも、思っていた以上に通信費がかかっているなとか、光熱費の多さに驚いた、などという人もいるのではないでしょうか。

これらは銀行引き落としがほとんどなので、無事に引き落とされている限り具体的な金額についてはあまり意識しないことが多いので、一度でも具体的な金額を知るだけで、その後の使い方が変わってくるはずです。

こうした貯金や資産といった表面的なものだけでなく、具体的な支出の金額を具体的にしることで数字以外の、「家計」の内容についても掘り下げることになるからです。

食費や生活日用品などは、後からだと少々難しいかもしれませんが、住居費や保険料、新聞代といった一定の固定費は毎月ほぼ一定なのですぐにわかるでしょうし、携帯電話や水道光熱費などは金額の変動はあるけれど毎月支払っているものは後からでも調べれば数字を拾うことも可能でしょう。

できる範囲でいいので、とにかくやってみてください。

なかには、「あれ? 収支が合わない。他にどんな支出があっただろう…」などと疑問がわいてくることも多いはず。実は、それがいいのです。のめりこんで、調べようという気持ちが増して、自然と数字を追うきっかけになるのです。それだけでも自分のお金の遣い方の傾向がわかり、お金の使い方を見直せます。

しかも、こうした作業を突き詰めていくと家計の問題点も浮き彫りになってきます。結果、「意外と○○費が高い」とか「××費はムダかも」といった“気付き”も得られるのです。その気付きを来年に活かそう、新年の「改善目標」にしてみようと取り組んでみてほしいです。

普段、数字の把握を意識していないからこそ、年に一度のこの時期だけは挑戦してみてください。そして、お金に対しても一年間お疲れ様でしたと感謝をしてみてください。