〔PHOTO〕iStock

大阪をザワつかせる「樋田容疑者逃走事件」はなぜ起きたか

原因と対策を犯罪心理学者が考察する

お粗末な逃走事件

大阪府の富田林警察署から樋田淳也容疑者が逃走してから2週間以上経った。

容疑者の足取りが一向につかめないなかで、大阪府内では、容疑者によると思われるひったくり事件などが複数件起こっている。

付近の住民は、さぞかし不安な毎日を過ごしていることだろう。実際、大阪府警には抗議の電話が3千件近く寄せられているという。

報道によると、逃走は弁護士との接見の直後に発生した。しかし、警察官が事件に気づいたのは、逃走したと思われる時刻から1時間以上も経過した後のことだった。

樋田容疑者が逃走したのは、いくつもの警察の不手際が重なっていたことが理由として挙げられている。まず、面会室のアクリルの遮蔽版の取り付けに不備があり、それを蹴破って外に出ることができたのだという。

〔PHOTO〕iStock

そして、本来なら面会室の外で待機しているべき警察官が不在であった。

また、弁護士が退室したことを知らせるために、ドアにはセンサーが設置されていたが、それを不要だと判断した警察署が電池が抜いていたこともわかっている。

さらには、敷地内に脚立が放置されており、それを使って塀の外に逃げたのではないかと推測されている。

 

このどれか1つでもきちんとした対処がなされていたならば、逃走は未然に防げたはずだ。逆に言えば、これだけ多くの不手際が重なっていたことに唖然とするほかない。

また、弁護士側の責任も大きいと言わざるを得ない。接見を済ませた後、容疑者一人を部屋に残したまま、平気で退去する神経が信じられない。

容疑者が「私が警察官に声をかけます」と言ったというが、容疑者を安易に信用せず、弁護士自身が、接見の終了を警察官に告げ、身柄を確実に引き渡したのを見届けてから退去するべきだろう。