「副業を解禁すると過重労働になる」は本当か?

大前提として、一口に副業といっても、副業には大きく分けて以下の2つのパターンがあります。

A:雇用型の副業
B:フリーランス型の副業

Aの雇用型の副業の多くは、本業の時間外である早朝や深夜、土日などにコンビニや飲食店、ガソリンスタンドなどでアルバイトとして従事するケースが多いです。

こうしたフルタイムで勤務している会社とは別の企業と雇用契約を結んで副業を行う場合、企業側は「労働時間の通算義務」を負うため、副業の勤務先の労働時間も適切に管理・把握する義務が生じます。

他方、本業とは別に、個人事業主として副業を行うフリーランス型の副業の場合は、企業側が通算義務を負う必要はありません。

出典:フリーランス白書2018
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その場合は、副業の労働時間の管理・把握を行う必要がないため、筆者が副業解禁を検討している企業へアドバイスする際は「原則、フリーランス型の副業のみを認める」とした上で、やむなく雇用型副業にならざるを得ない場合は、タイムカードなど勤怠データがきちんと管理されていて、月次で勤怠データを提出することを義務付けるように、とお伝えしています。

「副業禁止の理由」の中でも圧倒的に多かったのが、「副業解禁が長時間労働・過重労働につながる」でした。こちらについてはどうでしょうか。

そもそも、副業とは何でしょうか。

会社の指揮命令を受けて行う本業との大きな違いは、副業は自らの意思で、自らの裁量でいかようにでもコントロールが可能、という点です。

筆者自身、会社員時代に入社3年目から約3年間副業を行っておりましたが、本業の仕事が忙しくなった時は一時的に副業の活動を完全にストップするなど、健康に支障が出ない範囲で副業をコントロールしていました。

副業は、「誰かに指示されてやるもの」ではなく「自分がやりたいことを、自らの意思で行うもの」です。

副業禁止時代のサラリーマンたちが、週末ゴルフに勤しんでリフレッシュすることで、また月曜日から仕事に打ち込めるのと同じように、「やりたいことを、やりたいようにやれる」ことは、自分のエネルギーやモチベーションを高めることにつながるのです。

他方で、自己管理能力が不十分な場合、自分が好きなことだからこそ時間を忘れて没頭してしまい、結果的に睡眠時間を削ってしまい、健康に支障を来たしてしまうケースもゼロではありません。

そうした社員に対しては、「睡眠時間を削っての副業は言語道断、本業・副業含め、一切仕事をせずに休養・リフレッシュに当てる時間を、週に1日は取るように」と指導したり、改善が見られない場合は副業を止めるように指示するなどの個別対応は必要です。